忍耐強さとマルティネッリ

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今となっては、かつてアーセナルファンの間で『ミケル・アルテタはマルティネッリのことを評価していないのではないか?』と心配げにささやかれていた時期があったことを思い返すと懐かしく、可笑しな気持ちになる。

ただし、マルティネッリがそこまで安定して出場機会を得ていなかった時期も、アルテタのコメントは一貫していた。

2021年1月『私はガビに多くを期待している』

2021年3月『もちろん彼は思ったほど出場機会を得られていないことに落胆しているが、彼は忍耐強くなる必要がある。前線の競争は激しいが、忍耐強く待てば彼はチャンスを得るだろう』

2021年4月『マルティネッリには輝かしい将来がアーセナルで待っている。だが、我々は少し忍耐強くある必要がある。彼は自身がどのようなキャリアを送るかを示すチャンスを与えらえる』

実際の所、ファンがマルティネッリにより多くの出場機会を与えることを望んでいた背景には、彼の代わりのオプションが結果を残せていなかったこともあった。ウィリアン、サイドでプレイするオーバメヤン、どうしても調子が安定しなかったペペ。

したがって、よりエキサイティングで将来性のある選手をファンが見たがったのも理解できる。

しかし、彼が大きなひざの怪我をしたことも事実であり、これはまさに彼がフィジカル面で完成形に近づこうとしていた時期に訪れたものだった。一時期のアルテタは確かに若手よりもベテランを好む傾向にはあったが、マルティネッリに関しては、恐らく若手だからというよりも、純粋にまだファーストチームで起用を続ける準備は整っていないと判断したのだろう。

マルティネッリの軌跡をシティのフォーデンのものと例える声も上がて知多。彼もまた、ファンから熱望されながらも、グアルディオラは非常に慎重に起用した。

興味深いのは、この二人のケース両方において、監督の2人のタレントに溢れた若手を焦らずゆっくりと起用するという判断には恐らく正当性があったのだろう、と思われることだ。

フォーデンは昨季から引き続き今季も絶好調であり、マルティネッリもここまでアーセナルでMVP級の活躍を見せている。もちろん、総合的に見たジェズスのチームへの貢献も素晴らしいが、コンスタントに数字で結果を残し、一歩階段を上ったという意味ではマルティネッリの活躍は目を見張るものがある。

先週マルティネッリは自身の戦術面の理解の進歩について話し、いかにそれが自身のプレイを引き上げてくれたかを語っていた。忍耐には報酬がついてくるものなのだ。

今季ここまで、マルティネッリはグラニト・ジャカとガブリエルに次いでチーム3位の出場分数を記録している。スミスロウの離脱もあり、左サイドの控えが不在であるというのも影響しているだろうが、どちらにせよ本調子のスミスロウがいたとしても、ここまでのパフォーマンスを見せているマルティネッリは監督からすれば外すのが難しい存在のはずだ。

リバプール戦でのマルティネッリのパフォーマンスが、彼がどこまで高く上り詰めたかを如実に示している。もちろん、アーセナルファンは選手たちを毎週見ているので、一試合の印象的なパフォーマンスで評価が全て変わってしまうということはない。

だが、時として、サッカー選手は大きな舞台の自身の存在を世界に証明して見せるようなパフォーマンスを見せる。日曜日の試合はまさにそのように感じられた。

確かに今年のリバプールは不調だが、マルティネッリはマッチアップの相手のサイドバックを陥れ続け、1ゴール1アシスト、PK獲得の波状攻撃にも一役買った。

彼がまだ数か月前に21歳になったばかりであることを考えるとこれは驚異のパフォーマンスだ。

彼の将来が少し話題になっているが、彼は2020年に長期契約を結んでいる。

2020年の時点ではマルティネッリは将来性豊かな若手に過ぎなかった。だが、2022年のマルティネッリは本物の逸材だ。したがって、彼の給与がその活躍を反映するのは当然だろう。

もちろん僕はアーセナルに残りたいと思っている。今交渉中だ。どうなるか見て見よう。でも僕としては留まりたいと思っているよ。

とマルティネッリ本人も語っており、アーセナルにとってはこの契約延長をまとめるのはそこまで難しくはないだろう。

チーム内での重要性が増し続け、本人が残留を希望しており、昇給に値する活躍を見せている若手。もちろん交渉は必要だが、そこまで複雑な話にはならないはずだ。

忍耐が必要だというのは簡単だが、それを実際に体現するのは時として難しい。

だがマルティネッリに関しては、10代のうちにあまりプレッシャーをかけすぎず、ゆっくりとチームに溶け込ますことのメリットが現れている。オーバメヤンが去り、実際にチャンスが訪れた際にマルティネッリはそれをガッチリと掴んで見せた。

さらにエキサイティングなのは、まだまだマルティネッリがさらなる成長を続けている、という点だろう。

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Posted by gern3137