arseblog氏によるアーセナル – レスター戦振り返り
4-2という試合結果がパフォーマンスを忠実に反映した点差だったとは思えないが、恐らくこれは急成長を遂げる若きアーセナルが素晴らしい活躍を見せた素晴らしい一日に対する、ほぼ唯一の些細な不満だと言っていいだろう。
試合前の予想通り、アルテタは前節お変わらないメンバーを送り込んできた。ただし、ベンチには冨安とスミスロウが復帰し、より層は厚くなった。
試合序盤にレスターは良いチャンスがあったがラムズデールがそれを良いセーブで防ぎ、それ以降はほぼ前半ずっとアーセナルのターンだったといって良いだろう。
ジャカは我々アーセナルファンがその存在を知ることすらなかった一面を見せ、コンスタントに良いタイミングでの左サイドのランでレスターを脅かし続けた。
もう少しでGKと一対一だった場面もあったし、サカのクロスからヘディングでゴールまであと一歩に迫った場面もあった。ジンチェンコが中に入ることでジャカがこのようなプレイを見せることが可能になり、この戦略は非常に上手くいき、レスターは対応することが出来ていなかった。
だが、先制点はガブリエル・ジェズスの素晴らしさ、そしていかに彼が他の選手たちとの連携が上手いかが詰まったかのようなゴールだった。レスター戦でのアーセナルの敵陣でのパス交換は素晴らしかったし、ジェズスのシュートは完ぺきだった。
ボールがふわりと宙に浮いた瞬間、それがどこに向かっているかを悟ったレスターの選手たちはそれを悲しげに見送った。
これを見て、私の心にはデニス、そしてベルカンプ、という2つの単語が浮かんだ。
ファンというのはいつだって現在の選手と過去の偉大な選手たちを比較しようとするものだし、それにもかかわらず、基本的に彼らは全く異なる存在だ。
だが私には、ほとんどバックリフトなしで繰り出されたジェズスのループシュートにはアーセナルのもっとも偉大な選手の一人の面影が見えた。
ジェイミー・ヴァーディはもう何年もずっとアーセナルを苦しめてきたが、この試合に関してはジェズスの2点目をお膳立てくれたことに感謝したい。
この時点でジェズスがレスター守備陣の手に余ることは明らかで、その後も何度もチャンスがあった。
前半終了間際にPKかどうかをVAR(なんとマイク・ディーンだ)がチェックする、というシーンがあったが、あれは明らかにダイブだった。ヴァーディはまるで何故か船から落ちてしまった携帯電話のように地面に崩れ落ちた(訳注: ヴァーディとルーニーの奥さんの訴訟で、ヴァーディの奥さんが重要な証拠となる携帯を、偶然船から落としてしまったのだ、と発言していることの揶揄)
後半のレスターは前半よりは勢いを増し、アーセナルも2点リードがあるのでゆったりと構えてカウンターを狙うかと思われたが、不運なサリバのオウンゴールによってレスターが一点を返すこととなった。
だが、そこからのチームのリアクションは素晴らしいものだった。90秒後にアーセナルは再び得点してレスターを突き放した。ホワイトのクロスから、ジャカがきちんと詰めており、スコアは3-1になった。これにより、レスターはサリバのオウンゴールによって揺らいだかもしれないアーセナルの隙を突くことは出来なかった。
さらに、チームのリアクションだけではなく、オウンゴール後にサリバがボールを持った際のスタジアムのファンからのリアクションも最高だった。
大音量の拍手が贈られそれはまるで『心配するな、何があっても我々は君の味方だ』と語りかけるかのようだった。
そして、サリバ自身も、まだアーセナル2試合目である若者にもかかわらず、オウンゴールにパフォーマンスが影響を受けている様子は微塵もなかった。
彼の冷静さは超自然的な域にあると言わざるを得ない。
サリバに関するファンの反応に関して、アルテタも以下のように語っている。
ファンが今日サリバに対して見せたような反応を示すところは私はキャリアを通して始めて見たよ。これはファンとの絆を象徴しているし、選手誰かにとって難しい時にも、彼らが共にいてくれるということを示している。これはとても特別なことだし、こんなファンの前でプレイできて、誇りに思うべきだね。ウィロ(サリバ)の自信にもつながったと思うし、チームもそれは同じだと思うよ。
その後レスターにフォーメーションの変化があり、アーセナルの守備の怪しさもあって失点を喫してしまった。またしてもアーセナルはナーバスな15分を送ることになるかと思われたが、ここでなんとまたマルティネッリの得点で2点差に戻すことに成功した。
マルティネッリのこの試合でのパフォーマンスは得点に値するものだったし、彼の献身性は信じられないほどだった。
得点がマルティネッリが自分でボールを奪取したところから生まれたのが象徴的だった。
これで試合は決定的なものとなったが、その後もサカのシュートがこぼれた場面など、ジェズスにはハットトリックのチャンスがあった。3点目を決められなかったのは少々残念に感じているかもしれないが、それでも2ゴール2アシストというのはすさまじい数字だ。
ファンから見ても、既にジェズスがチームに馴染んでいるのはわかるし、攻撃の中心となっている。もちろん今日の試合の中心はジェズスで、彼はファンから寄せられているその誉め言葉全てに値し、彼を赤白のユニフォームで見られるのは喜びでしかない。
だが、サカ、マルティネッリ、ウーデゴール、ジンチェンコ、ジャカといった選手も同じ波長にあるように見えた。
そして、ホワイトが軽い怪我をしたときにアーセナルは冨安を投入し、スミスロウやエンケティア、ティアニーに出場分数を与えることも出来た。
これは一試合の試合結果を超えて、クラブの運営と補強戦略がうまくいっている成果のように見えた。もちろん、チーム全体でまだ改善や洗練の余地はあることは間違いないが、それは同時に、まだまだこれからこのチームがさらに成長していくという意味でもある。これは、なんとエキサイティングなことだろうか。
エミレーツスタジアムの雰囲気は素晴らしく、アーセナルは開幕から2試合で勝ち点6を得た。もちろん、まだシーズンは始まったばかりで、先の道のりは長いが、1年前の開幕直後を思い返してみれば、クラブが大きく前に進んでいることがわかる。
こんなにも自信をもって、次の試合を楽しみにできる週末はとても久しぶりだ。
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ディスカッション
コメント一覧
とてもいい記事の翻訳
ありがとうございます!
多少ズレますが、コメントします。
パーティーのスルーパスを促したジャカ。涙が出そうになった。ラムズデールにしても人間的に大きく成長した。こうなれば、どんどん強くなる。そこに至るまで、凄まじい痛みがあった。
そしてそれは今もある。差別をなくし、戦争をなくす。サッカーが全世界の人々に影響を与えるのなら、アーセナルのこの日の勝利は正当化できる。
バーディ夫人とルーニー夫人の件、知らなかったです、、、翻訳ありがとうございましたw