アーセナルのスカッドをおさらいしつつ補強ポイントを冷静に考えてみよう 後編

移籍

前編はこちら!

中盤

アンカー+2CMFの場合:
アンカー: パーティ (ジャカ) (エルネニー) (ロコンガ)
CMF: ジャカ ウーデゴール ビエイラ (エルネニー) (スミスロウ)

ダブルボランチ+トップ下の場合:
ボランチ: ジャカ パーティ エルネニー ロコンガ
トップ下: ウーデゴール ビエイラ (スミスロウ)

もし移籍市場の開幕前にアーセナルの夏の最重要補強ポイントは?という質問をアーセナルファンにしていたら、恐らく多くがストライカーと中盤、と答えたはずだ。

若干状況を複雑にしているのが、ファビオ・ビエイラがどれだけプレミアリーグ初年度から活躍できるかが少し不透明な点、加えて、アルテタが彼をどのポジションで起用するつもりでいるのかがまだわからない、という点だ。

つプレミアリーグは未経験の22歳の若手、ということでいくらポルト時代には素晴らしい成績を残してきており、高額移籍金での大型補強であるとはいえ、ビエイラが今年度即戦力としてアーセナルにフィットしてくれるだろう、と期待するのは若干ハードルが高いような気もする。

ただ、サイドやセカンドストライカーとしてのプレイ経験もある技術が高くチャンス創出力に溢れた選手、というプロフィールから見るに、恐らくビエイラは中盤というよりもより前より、ウーデゴールとサカ両方の控え/競争相手になってもらう、というのがクラブのプランのように見える。

どちらにせよ、今のアーセナルの中盤の一番の不安点はトーマス・パーティの控えがかなり心許ないことだろう。現状パーティと同じような役割がこなせるような選手はスカッドに見当たらない。ジャカ・ロコンガ・エルネニーの3人は皆帯に短したすきに長し、といったところで、それぞれ長所はあるものの単独でアンカーを任せるのは不安だ。パーティの機動性とボール奪取力、ボール前進力を兼ね備えた万能性には及ばない。

中盤を現状のメンバーのままで行くのであれば、来季はパーティ不在時にはダブルボランチへの移行が現実的だろう。

ダブルボランチにジャカ・パーティ・ロコンガ・エルネニーの4枚、トップ下にウーデゴール&ビエイラという陣容であればギリギリ枚数は足りていなくもないが、昨季のアーセナルの躍進を支えたパーティの前に二人のMF起用、という形であれば、理想的には、右にウーデゴールとビエイラ、左にジャカ+もう一人揃えたいところだろう。さらに欲を言えば、ジャカからスタメンを奪うようなレベルの選手であれば最高だ。

そう考えると、今アーセナルに最も必要なのはアンカーとしてパーティの控えが務められつつ、その一列前でジャカとポジション争いも出来るようなMFかもしれない。このような要件を高いレベルで満たす選手はあまり多くなさそうではあるが。

もちろん、アルテタが来季に向けてまた違った中盤の構成を考えているという可能性もあるし、この辺りは今後の移籍市場と合わせてプレシーズンの試合なども合わせて見守りたい。

前線

右ウイング: サカ ビエイラ (ジェズス) (マルティネッリ)
左ウイング: スミスロウ マルティネッリ (サカ)
ストライカー: ジェズス エンケティア (マルティネッリ)

先日arsecastでスティルマンさんが、実質的に、ジェズスは安定したゴールをもたらすオーバメヤンの代役のようなもので、エンケティアがラカゼットの代役のようなものだ。加えて、ペペが退団濃厚となっており、彼の代役も獲得する必要がある、と述べていたが、確かにそれには一理あるように思える。

ビエイラが一年目でプレミアリーグにどれだけ適応できるか、そして監督が彼の最適ポジションをどことして見ているか次第ではあるが、マルティネッリとスミスロウがハイレベルな争いを繰り広げている左サイドは良いとしても、ジェズスをサイドに回したりなどといった対応も考慮するとすれば、ストライカー、あるいは右サイドのアタッカーをもう一人スカッドに加える余地はありそうだ。

実際にアーセナルはかなり真剣にラフィーニャ獲得を狙っていたようだ。この際には、サカの中盤での起用も考慮されているのではないか、といった話も出たりしており、このあたり前線~中盤の選手に関してはかなりポジションが流動的になるので何人いれば層の厚さが十分と言えるのか、予測は少々難しい。(恐らくだが、例えばアーセン・ベンゲルであればユースのテクニシャン型MFを右サイドに起用するなどして、我々には強力なスカッドがある、と言っていたのではないか、という気がする。)

一時期アーセナルはオーバメヤン&ラカゼットの実質ストライカー2枚体制、かつ時折オーバメヤンをサイドで起用、というスカッドで欧州コンペティションと何とか両立させていた時もあり(オーバメヤンに非常に怪我が少なかったというのもあるが)、そういった意味ではビエイラが右サイドの控えを務められるのであれば、今のままのメンバーでもなんとかなりそうではある。

まだ確定ではないが、アーセナルのラフィーニャ獲得の可能性はかなり低下してしまったようなので、アーセナルがこの後第二の右ウイング獲得に乗り出すのか、それとも他のポジションに移るのか、興味深い所だ。ジェズスはかなり高いレベルでサイドがこなせる選手でもあり、それを考えればストライカーの獲得に動くというのもスマートな策に思えなくもない。

ただ、いずれにせよ、現状のアーセナルの最優先で注力していたターゲットはビエイラ、ジェズス、リサンドロ・マルティネス、ラフィーニャの四人で、前2人の獲得には成功したが、マルティネスどうなるか不透明、ラフィーニャは見込み薄、といった状態であり、彼らの去就が決定的になるのを待って、プランを再検討、獲得候補リスト内の選手のうち、どのポジションの選手獲得に動くかを最終決定する、という流れになるのではないだろうか。

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Posted by gern3137