【アーセナル移籍間近！？】ファビオ・ビエイラとは

2022-06-17移籍海外記事

近年、プレミアリーグのクラブが新たなタレントを求めてポルトガルリーグから選手を獲得するケースが増えている。マンチェスター・ユナイテッドのブルーノ・フェルナンデス、リバプールのルイス・ディアス、マンチェスター・シティのルーベン・ディアスがその例だが、彼らは皆、イングランドサッカーへの適応を苦にせず、即座にインパクトを残せることを証明して見せた。

リバプールが新たにベンフィカからクラブ史上最高額の移籍金でのダルウィン・ヌニェス獲得を発表したばかりだが、既にポルトガルリーグの次のスターのプレミアリーグ入りが近づいているようだ。各メディアが、ファビオ・ビエイラが35m＋5m(ボーナス)€の移籍金でのアーセナル移籍が成立間近だと報じている。

ビエイラはポルトの南、アベイロで生まれ、8歳でポルトのユースアカデミーに加入した。彼は順調に昇格を続け、U-18やU-19のポルトガル代表召集なども経て、2019年2月から、ポルトガル2部リーグ所属のポルトBチームでプレイを始め、19/20シーズンには7ゴール3アシストという数字を残した。

リーグの中断を経て、シーズン終盤にはトップチームデビューも果たし、その後すぐに得点とアシストも記録した。

その翌年、2020/21シーズンにはビエイラはファーストチームの一員としての立場を固め、チャンピオンズリーググループステージのマンチェスター・シティ戦やオリンピアコス戦でも先発している。

ただし、この年はトップチームで33試合に出場したが、先発は5試合のみだった。

プレイする分数が少なく、ポジションも一定ではなかった影響もあってか、この年ビエイラはリーグ戦で1あっしストのみに終わったが、一方でユース代表レベルでは出色の活躍を見せた。

ポルトガルU-21代表の黄金世代は決勝でドイツに敗れ、惜しくもU-21ユーロの優勝こそ逃したものの、主力メンバーだったビエイラは大会最優秀選手に選ばれた。

この賞の過去の受賞者には、フアン・マタやペトル・チェフ、アンドレア・ピルロにルイス・フィーゴ、ファビオ・カンナバーロやファビアン・ルイスと錚々たる顔ぶれが揃っている。

U-21ユーロの夏を経て迎えた昨季、ビエイラは9月にこのシーズン初の先発で3アシストという素晴らしい活躍を見せ、翌戦ではリバプールにチームは5-1で敗れこそしたものの、唯一の得点をアシストした。

その後、昨季後半戦はビエイラはポルトのトップチームで安定した出場機会を得るわけだが、それには主に2つの要因が大きくものを言った。

まず彼が11月に契約延長を行ったこと、そして、ルイス・ディアスのリバプール移籍だ。

彼はチームの絶対的なスタメンというわけではなかったが、セカンドストライカーや左ウイング、そして攻撃的MFと様々なポジションでプレイし、リーグ戦で6ゴール14アシストというすさまじい成績を残した。

キャプテンを務め、主力となっているポルトガルユース代表ではほぼ常に攻撃的MFを務めていることからもわかる通り、彼が現時点で最も輝くのはこのポジションだろう。

サッカーの変化と共にトップ下の役割も変わりつつあり、デブライネのように、チャンス創出を得意とする選手がサイドに配置されるケースも増えているが、ビエイラもまた、タイプとしては昔ながらのトップ下寄りの選手だが、ポルトではサイドで起用されることも多かった。

彼はワンツーや素早いパスでチームメイトと連携するのが上手く、深い位置からボールを受け、ラインをブレイクするスルーパスを得意としている。ボール保持力もあるが、一本のパスで相手のブロックを崩せるような選手だ。ミドルシュートとセットプレイのキック精度も悪くない。

また、彼はメスト・エジルを彷彿とさせるような、低い弾道のバウンドパスも得意としており、このプレイはエジルのバウンドシュートと同じように話題を呼んだ。

彼は素晴らしいパサーで、短長に関わらず(彼はサイドチェンジも得意で、ロングパス成功率は60%を超えている)、彼のパスはいつも目的地へと届く。ボールタッチの上手さと技術の高さが相まって、一度勢いに乗せてしまえばビエイラを止めるのは非常に難しい。

また、パス能力と視野の広さだけでなく、プレスに晒された場面でボールを失わない能力も併せ持っている。

プレイするポジションに関わらず、彼は攻撃のテンポを作り、チームの攻撃を指揮できる選手だ。ボールを受けに低い位置まで下りることもある。

近年ポルトガルは自力でボールを前に運べ、素晴らしいパスでチャンスを作り出せる選手を数多く輩出しているが、ファビオ・ビエイラもまた、デコやルイ・コスタ、フィーゴ、ベルナルド・シウバ、ジョアン・フェリクスといった選手たちの系譜を継ぐ存在になりそうだ。

source: