アーセナルの今季最終盤のカギを握る新進気鋭の若手と逆襲のベテラン

分析海外記事

ノースロンドンダービーはアルテタが語った通り、過去のものとなった。

だが、現在の英メディアはまるでもうシーズンは終わったかのような書き方をしているが、実際にはまだアーセナルは自力で4位フィニッシュの可能性がある。

ノースロンドンダービーにより、アーセナルのリードが失われたというだけだ。これによってアーセナルは過ちを犯す猶予がほぼゼロになったが、まだシーズンの結果はアーセナル次第だ。次の2戦で2勝を収めれば、CL出場権を獲得することが出来る。

とはいえ、直近の一か月のアーセナルは非常に不安定で、メンバーも満足に揃っているとは言い難い。ティアニーとパーティの二人が怪我で離脱となり、冨安もまだ怪我による3か月の離脱から帰ってきたばかりだ。

ラカゼットは完全に控えになってしまったし、ブカヨ・サカも試合を欠場するほどではないのかもしれないが、何らかの怪我を抱えながらプレイしているように見える。

これにより、アルテタは控え選手を何人か起用し、トップ4争いに向けてのギリギリの戦いを強いられている。若手とローテーション要員のミックスともいえるチームでチェルシー、ウエストハム、マンチェスターユナイテッド、リーズ相手には勝利を収めたものの、スパーズには敗北を喫してしまった。

ただ、この5試合で4勝1敗という結果は、現在のチーム力を考えるとむしろ素晴らしい結果だと言えるだろう。選手個々のクオリティというよりもチーム力で何とかもぎ取った勝ち点だ。

しかし、アーセナルはここからさらに難しい状況に追い込まれている。ガブリエルはトッテナム戦でハムストリングを痛めたように見え、今季再び出場できるか微妙な状況だ。次節はホールディングがレッドカードにより出場停止ともなっている。

次の試合のスタメンはアルテタにあまり選択の余地はなく、プレイできるDFを起用する、ということになりそうだ。

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対戦相手のニューカッスルは降格にも関係ない14位にいるため、この試合にそこまで大きなものはかかっていないが、彼らは現在リーグでも好調のチームで、今季最後のホームを勝利で飾りたいと考えているに違いない。

そしてその次のシーズン最終節はエヴァートン相手のホーム戦だ。こちらも最終節までにエヴァートンが残留を決めてくれれば少しは楽になるだろうが、仮に残留がかかった一戦になったとしても、アーセナルのスカッド事情も鑑みるとどちらかというとニューカッスル戦の方が厳しい戦いになりそうだ。

この2試合がアーセナルと今季開幕時点では想定外の栄光の間に立ちふさがる壁となっているが、相手にとって不足はない、といったところだろう。

現在ミケル・アルテタのアーセナルに在籍している選手たちは、綺麗に二つのパターンの選手に分かれるように感じられる。

一つはファンからの期待を抱く将来性のある若手たちだ。サカ、マルティネッリ、スミスロウ、ウーデゴールのファンタスティックフォーを代表に、冨安、ラムズデールはホワイトもこちらに入ると言っていだろう。彼らはSNS上でのアーセナルファンからの信頼も非常に厚い。

そして、もう一つのグループがキャリアを通して期待外れという烙印を押されることが多く、アーセナルファンからすら懐疑的な目線を向けられてきた選手たちだ。

彼らへのアーセナルファンの信頼はゆっくりとしか高まらず、かつ一つのミスで蒸発してしまう。セドリック、ジャカ、エルネニー、エンケティアといった選手たちがここに入るだろう。タヴァレスもこちらのグループ入りしてしまいそうだ。

だが今季彼らは予想外のヒーローとなって、アーセナルのシーズンの重要な時期でクラブを救った。

だが、前者のグループはまだ若いためトップレベルで自身のパフォーマンスを証明したことがないし、後者のグループは欧州コンペティションで戦える選手だという評価を確立できてはいない。

だが、今こそ彼ら両方にとって、CL出場権をアーセナルにもたらせるチャンスが目の前に訪れているのだ。

実際の結果がどうなるか以前に、もしアーセナルが欧州で最も格式の高いCL出場に値するクラブであるということを示すためには、次の二試合で勝利を収める必要がある。

対戦相手のニューカッスルとエヴァートンは良いチームではあるがどちらもリーグ下位に沈んでいるチームであり、ニューカッスルは次の試合に勝利しても名誉くらいしか得られず、アーセナルと比べてモチベーションが高いとは言えないだろう。

もしアーセナルの将来を支える若手たちと、ここまで燻ぶりながらもついにチャンスを掴んだ選手たちが世界に自分たちがCL出場に相応しいのだと示すためには、CLに出場している他のクラブが当然のように行うようなパフォーマンスを見せる必要がある。そしてこれらの試合に勝利するのだ。

ファンタスティックフォー+エンケティアの前線はCLレベルの攻撃力を示してチャンスを作り、得点しなくてはならないし、セドリック、タヴァレス、エルネニーといった選手たちがニューカッスルやエヴァートンの攻撃陣相手に守り切れないようであれば、欧州上位のクラブの攻撃陣相手に試合が出来ないと不満を言っても仕方ないだろう。

今のアーセナルがこの試練さえ乗り越えれば、どんな批判者もメディアも、アーセナルがCLに値するチームではなかったとオープンに言うことはできないはずだ。

逆にもし失敗すれば、現状では5位の実力しかなかったというだけのことだ。

信頼にこたえたい若手たちとかつての批判者たちを見返したいベテランたちがそれぞれタスクをこなし、彼らの力が合わされば、アーセナルは問題なく目標を達成できるはずだ。

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Posted by gern3137