モハメド・エルネニーのプロフェッショナリズムを称えよ

分析arseblog,海外記事

最近のエルネニーの活躍は多くのアーセナルファンにとって予想外のものだったに違いない。

彼は今季ここまで、ほとんど干されていたと言っても過言ではないくらい出場機会がなかった。チェルシー戦で先発する前の時点で彼はシーズンを通してたったの171分しかプレイしていなかった。最後に先発したのは12月のマンチェスター・ユナイテッド戦だった。

やはり今季アーセナルが欧州コンペティションに出場していなかったことが大きく響いていたし、ジャカやパーティが出場停止となった際も、エルネニーよりもサンビ・ロコンガが第三のチョイスとなっていた。

だが、パーティの怪我で不在だったにもかかわらずジャカが左サイドバックでプレイしたブライトン戦ではロコンガへの負担が大きすぎた。セインツ戦ではロコンガのパフォーマンスはそこまで悪くなかったとは思うが、チェルシーやマンチェスター・ユナイテッドといった難敵相手のプレッシャーのかかる試合が控えていたことを考えると、アルテタがより経験豊富な選手に頼りたくなる気持ちは理解できた。

シーズンの終盤にはミスを挽回する猶予は与えてもらえず、このような場面で安定性を見せられる選手は非常に重要だ。

サンビはまだ22歳と若く、イングランド移籍後1年目で活躍できなかっただけでこの獲得が失敗だったと決めつけるべきではない。だが、その若さのせいで、どうしてもパフォーマンスに(良くも悪くも)波があるというのは否めない。

一方で、エルネニーには波のようなものがあまりない。

彼は将来的にワールドクラスのMFになるだろうか?

答えはノーだ。

だが、全ての選手が中盤を支配する圧倒的なMFである必要はない。

エルネニーが与えてくれるものは経験、賢さ、そしてボールを失わない能力だ。そして、彼は最近チーム内での必要性の上昇に伴って、ボール前進力も以前よりも向上させている。

サッカーファンというのは選手の能力に関して短期的に結論を出すことが多い。確かに、もしエルネニーがベジクタシュにローンに出ている時に、誰かがエルネニーがアーセナルに帰ってきて、アーセナルがCL出場権を得る手助けをしてくれるはずだ、と主張していたら信じてくれるアーセナルファンはあまりいなかったに違いない。

ウナイ・エメリは公の場でエルネニーはプラン外だと宣言したこともあった。

だが、サッカーは思いもよらない形でファンを驚かせてくれるのだ。

この数年間にわたって、夏の移籍市場が来るたびにエルネニーは退団が予想されていた。だがそこから時は流れ、デイビッド・オーンスティンがクラブがエルネニーと契約延長交渉を始めたと報じている。

先週エルネニーはアーセナルで結果的にファーストチョイスになれなかったとしても、オファーさえあれば残留したいといった旨のコメントを残していた。

僕はチャレンジは歓迎だし、常に100%を出すつもりだ。誰が試合に出場するか決めるのは僕ではないけれど、常に練習で僕のベストを示し続け、監督に僕を使わせたいと思わせるつもりだよ。たとえ出場機会がない日が続いても、チャンスがもらえるまで僕はそれを続けるつもりだ。もしアーセナルが僕に残ってくれと言うのであれば、このクラブを去るつもりはない。アーセナルはこの6年間僕のファミリーだったし、このクラブを愛しているからね。

エルネニー

モハメド・エルネニーの契約延長は多くの点で理にかなっている。

まず、そもそも延長といっても2年、あるいは1年+1年の延長オプションのような形で短期的な契約になるはずであり、これによりアーセナルが高給のベテラン選手を抱えてしまうということにはならないだろう。

第二に、この夏アーセナルの出発ゲートはかなり混雑しそうだ。来季に向けてプレミアリーグと欧州コンペティションを両立できてるようなスカッドを作ることが必要で、エルネニーはローテーション要員としてチームに置いておく選手として完璧だ。

アーセナルが夏の移籍市場で行わなくてはならないビジネスの長を考えると、難しい決断ではないだろう。

もちろんエルネニーと契約延長したからといってアーセナルが中盤の補強をしない、ということを意味しているわけではない。アーセナルのユーリ・ティーレマンス獲得の噂はかなり信ぴょう性があるようだ。

エルネニーとの契約延長は来季に向けて必要な経験豊富な選手と層の厚さをアーセナルに与えてくれるだろう。

エルネニーはもうすでに過去の選手であり、エルネニーとの契約延長はアーセナルの野心のなさの表れだ、と考えるファンがいるのもわかっているが、もし今季アーセナルがCL出場権を得ることが出来れば、それこそ最近の低迷の歴史との決別に向けてクラブは一歩踏み出すことが出来るし、それにおいて、エルネニーが今季終盤の最も重要な役割を果たしてくれたことは疑いの余地がない。

そして、既に多くのファンが承知の通り、アルテタは自身が不要とみなした戦力の放出に関して容赦のない監督だ。

もしその彼が、エルネニーに来季以降のアーセナルにも居場所があると判断したのであれば、それなりにその決定は信頼できるのではないだろうか。

最後に付け加えると、クラブから公の場でプラン外だと告げられた選手がそもそもそのクラブを見返そうとハードワークをすることはレアケースだし、そこから実際に復活し、監督のプランに入るケースは更に少ない。

今季を通してエルネニーはほとんどアーセナルでプレイしていなかったにもかかわらず、プレッシャーのかかる試合で登場すると素晴らしい貢献を見せてくれた。

これは簡単なことではない。

これに関して、エルネニーのプロフェッショナリズムは大いに賞賛に値する。

我々ファンは選手がチームに100%コミットしていないと感じられるときには、即座に苛烈な批判を展開することが多い。であれば、選手がその逆の姿勢を見せた時には、我々は選手のその姿勢をきちんと認め、ほめたたえるべきだろう。

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Posted by gern3137