【アーセナルのターゲット】ヴィクター・オシムヘンとは?
数多くの名前が挙がるアーセナルの夏のストライカー補強候補ですが、冬から継続してクラブが興味を示しているとされるイサク、デイビッド、カルバート=ルインに加えて、最近はマーカス・ラッシュフォードやダルウィン・ヌニェス、ラウタロ・マルティネスとヴィクター・オシムヘンといった選手の動向にも注視しているようです。
今回はそのうちの一人、オシムヘンのスカウトリポートです。
オシムヘンのプロフィール
ポジション: FW(ストライカー)
所属クラブ: ナポリ
年齢: 23歳
身長: 186cm
国籍: ナイジェリア代表
利き足: 右
FIFAレート: 81(ポテンシャル89)
Transfermarkt算出による市場価値: 60m€
元々はナイジェリアはラゴスで生まれ育ったオシムヘンでしたが、2015年にU-17ワールド杯での活躍が欧州クラブの目に留まると、ヴォルフスブルクに引き抜かれました。ただ、ドイツでは怪我やマラリア感染などの影響もあって思うようなプレイが見せられず、ローンに出されることとなります。マラリアはオシムヘンのフィジカルコンディションに非常に大きな影響を与えており、トライアルにまで出かけても、全く彼を獲得しようとするクラブは現れなかったそうです。
そんな中救いの手を差し伸べたのがベルギーのシャルルロアで、ふたを開けてみればリーグ25試合で12得点の大活躍、ここからオシムヘンの快進撃が始まります。その翌年、2019年にはリールに引き抜かれるとフランスでも一年目から27試合で13得点と出色の活躍を見せ、CLでも2得点を上げました。実はこの時、現アーセナルのガブリエルとチームメイトです。
そして、またしてもオシムヘンは1年で移籍となり、一年前にリールが支払った移籍金は22m€でしたが、今回は75m€もの移籍金を支払ったナポリが引き抜きました。
ナポリでは怪我で出場時間が少し限られているのが懸念ですが、出場した試合では素晴らしい活躍を見せ、昨季はリーグ戦24試合で10ゴール、今季ここまでは、20試合で11ゴールと昨季を上回るペースで得点を挙げています。
また、ナイジェリアA代表にもすでにデビューしており、こちらも18試合で10得点を挙げています。
オシムヘンの特徴・プレースタイル
オシムヘンは長身ながらスピードもある、フィジカルに秀でたストライカーですが、やはり何と言っても一番の魅力はそのゴールの多さでしょう。ベルギー、フランス、イタリア、そしてナイジェリア代表とどのような環境でも大体2試合に1点ペースでコンスタントに得点を挙げており、チームメイトや環境に関係なく点を獲れる能力を持っているのは非常に魅力的です。もちろん100%は断言できませんが、過去の経歴を見る限りはプレミアリーグに移籍となった場合でもかなりの得点は見込めるでしょう。
こうしてみると、アーセナルの夏のストライカー補強候補に関して、ヴラホヴィッチもそうでしたが、長身で得点力がある選手、というのは共通しているように思えます。実際にアルテタも会見でまずストライカーに求めるのは得点だ、という旨の発言をしていました。
アルテタは少し前に新ストライカーに関して聞かれて『ボールをゴールに叩き込めること。1にも2にも得点力優先だ。どんなチームにも十分な得点が必要で、そがなければ意味がない』とコメントしていました。
— 山中拓磨(Takuma Yamanaka) (@gern3137) April 6, 2022
もしかすると、今のラカゼットシステムは妥協策というか少し不本意な形なのかもしれないですね https://t.co/76xjFnEo0Q
オシムヘンは長身ながらもスピードがある選手で、良い位置に走り込むことも得意なため90分当たりのオープンプレイからのxGも高く、シュートも中央のゴールに近い位置からの割合が多いです。シュートマップを見る限り、どちらかというと昔ながらのストライカーのようなタイプで、ボックス内にボールを供給してもらうことでその真価が発揮できるタイプのストライカーに見えます。
Macro Footballのデータベースによると、スタッツ的にタイプの選手としては、ラウタロ・マルティネスやヴラホヴィッチ、エイブラハムといった選手が挙がりますが、そういった意味ではアーセナルが新ストライカーに求める要素はある程度一貫しているように見えます。
低い位置でボールに絡むようなプレイはそこまで多くなく、アシスト数がそこまで多くないことからもわかる通り、最終局面でのパス精度や判断には若干難あり、といった感じなのでそこは今後の改善点でしょうか。
アーセナルにフィットするか?移籍金は?
今の所アーセナルが興味を示している、という噂が出ているだけでナポリ側にオシムヘンを手放す用意があるのかどうかについては不透明です。もちろんナポリが断り切れないだけの高額オファーを出せば可能性はあるでしょうが、現状Transfermarkt上での市場価値は60m€とはなっているものの、ナポリが獲得時に75m€の移籍金を支払っていることを考えると、ナポリがこれより安い額でオシムヘンを放出するとは考えづらいです。
アーセナルはヴラホヴィッチ獲得に80m€支払う用意があると冬には報じられており、またカルチョメルカートによるとラウタロ・マルティネスもインテルが手放すのであれば80m€を要求するだろうと報じていますが、恐らくオシムヘンに関しても移籍金は同水準のラインとなりそうです。
となると誰を第一ターゲットにするとしても、アーセナルはまだまだ慎重に吟味している段階で、より安価に獲得できそうなストライカー含め(第二ストライカー候補?)色々と考える必要がありそうです。
オシムヘンのプレミアリーグ適応に関しては、冨安健洋と同じく既に、ベルギーリーグ、セリエAで結果を残しており、さらにフランスでも活躍と欧州各地で結果を残してきている選手なので、他の選手と比べるとそこまで心配はないように感じられます。今季はヨーロッパリーグでレスターやバルセロナ相手に得点しており、またリール時代にはCLで2得点、チェルシー相手の得点もあるなど、A代表も合わせて既に大舞台での経験も豊富です。
恐らく、唯一気になるのは直近の2年に関しては少し怪我が多く、継続して10-15試合程度を欠場している点でしょうか。去年は肩の怪我、今年は頬骨の怪我ということで、特に癖になってしまう、といったタイプのものではないので大丈夫そうではありますが、この点は今季終盤も少し注目したいところです。
ニュースレターでは同じくアーセナルのストライカー補強候補、ダルウィン・ヌニェスについても解説しています!
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