ウーデゴールの物語はまだ始まったばかりだ
先日、マルティン・ウーデゴールがアーセナルの好調について語り、自分がその一部でいられることを楽しんでいるとコメントしていた。
このチームとプレイするのは本当に楽しい。お互いのことがよくわかってきたし、どんどん良くなっていっている。システムも前よりも機能しているし、流れるようにプレイできているね。
加えて、これは今週既に二度目のことだが、ウーデゴールはチーム全体の成長についても語った。
こんな経験は今までしたことがないよ。アーセナルでは何か特別なことが起きている。クラブ全体で、特別なものが生み出されていると感じられるんだ。僕らは互いのことが好きなチームで、特に一緒にサッカーをするのが好きだ。ピッチでもそれは見えるね。
私は夏の時に既にウーデゴール獲得賛成派ではあったものの、彼がここまでのレベルにこれほど早く到達するとは予期していなかった。
ローン期間中のウーデゴールは悪くはなかったが、衝撃的とまでは言えず、少し怪我の影響もうけていた。彼の獲得に若干の疑念が抱いていた人が居るのも理解はできる。だが、今季の彼の成長と高まりつつある影響力を見て、彼らも意見を変えずにはいられないだろう。
Embed from Getty Imagesサッカーの素晴らしい点の一つは、皆がそれぞれの意見を持つことが出来るというものだ。それにより、ディベートや議論が生まれる。だが、自分の意見は一生変えてはならないわけではない。意見は変えても良いし、むしろ変えた方が良い。それが間違っているという証拠が見えてきた時には。
例えば、ラムズデールがその良い例で、高額の移籍金もあり、移籍市場の時点では彼の獲得にアーセナルファンの多くが納得していなかったが、今となっては、彼の獲得が失敗だったと考えるファンはほとんどいないだろう。
昨季のウーデゴールの懸念点は、得点とアシストが少ない事だったが、今季それは大きく改善されている。
アーセナルがレアル・マドリードに支払った35m£という移籍金は大バーゲンだと言えるし、この時アーセナルが検討していたもう一つのオプションがジェームズ・マディソンで、価格はウーデゴールの二倍だったことも考慮するべきだ。彼は悪くない選手だが、ウーデゴールの方が私は良い選手だと思う。
2019年の時点で既にガーディアンのシド・ロウは『ウーデゴールは恐らくラ・リーガ最高のMFだ』と評していた。
このリーグにどのようなMFが在籍しているかを考えると、これは最大級の賛辞だと言える。
だが、どれほど素晴らしい選手でも、レアル・マドリードのようなクラブで結果を残すのはそれなりの重みのあることだ。
レアル・マドリードのMF陣を考えると、彼がマドリードで絶対的なメンバーとしての地位を確立できなかったことは特に恥じることはないと思うが、恐らくウーデゴールは更にキャリアを前に進めるためには決断を下す必要がある時期に来ていたのだろう。
決断は慎重に行う必要があった。彼の能力をきちんと披露することが出来るクラブを選ばなくてはならなかったのだから。
選手の能力が足りない、などといった理由ではなく、特定のクラブと特定の選手が合わないというのはサッカーにおいて時々起こるものだ。単純に環境を変えれば輝く選手もいる。
そして、私の目にウーデゴールは完ぺきなタイミングで完ぺきなクラブを見つけたように見える。完璧な監督と完ぺきなチームメイト。自身が役割を果たせ、居場所だと感じられる場所を。才能に見合った責任を与えらるプロジェクト。
Embed from Getty Images彼のレスター戦でのパフォーマンスはクリエイティブなMFのパフォーマンスとしては今季最高峰のものだった。
しかも、彼はまだ23歳で、今我々が目にしているウーデゴールの才能は氷山の一角に過ぎないはずだ。
今後、その下に眠るものが、アーセナルがライバルを打ち破るのを助けてくれることを願おう。
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