売却下手のアーセナルとバログンの将来について
この週末、ミドルズブラがFA杯でマンチェスター・ユナイテッドを破った。この試合でアーセナルのフォラリン・バログンは60分間プレイし、なかなか良いプレイを見せたようだ。
彼は今のアーセナルの選手層の薄さを見て来季は少なくともローテーション要員としてであれば自分にもチャンスがあるはずだ、と考えているに違いないが、クラブが彼に関してどのような決断を下すかは興味深い所だ。
今季オーバメヤンとラカゼットに次ぐ第三ストライカーを務めていたのはエディーだが、これにより、彼の出場機会は大幅に少なくなった。
もしアーセナルが夏に補強を行い来季バログンより序列が上のストライカーが二人いる状況でシーズン開幕を迎えたとしたら、バログンは第三ストライカーの座を受け入れるだろうか?
過去にも一度ローンに出た選手がシーズン15試合程度先発する味を知ってしまうと、再び控えの座を受け入れるのは難しい、というケースはあった。
今後もバログンが好調を続け、クリス・ワイルダーが彼を起用し続けて今季終了まで出場機会を得続けてくれることが望ましい。そして、夏にストライカーをアーセナルが獲得し、彼がその控えを務められるレベルにと謳うするというのが理想的だ。
第二ストライカーであれば、特に欧州コンペティションの出場権があれば、シーズン25試合程度の出場は期待できる。
だが、問題はここだ。
アーセナルは夏に何人のストライカーを獲得するつもりでいるのだろうか?
クラブは夏にそれなりの移籍金を叩いて二人のストライカーを獲得するのではないかという報道が出ている。そうなれば、バログンは第三ストライカーだ。
今季オーバメヤンがメンバー外になるまでの間にエンケティアに与えられた出場機会を見てみればわかる通り、第三ストライカーの出場時間は非常に限られている。もし夏に二人の新たなストライカーがアーセナルに来るのであれば、バログンの出場機会はあまりないだろう。
そうなれば、アーセナルは来季もう一度、今度はプレミアリーグのクラブにバログンをローンに出すという手もある。
これまでの彼のキャリアの経緯を考えれば、来季プレミアリーグで1シーズンを過ごすというのは彼の成長における自然な流れにも思える。
その後、2023年の夏で残り契約が2年になるため、そこで彼の将来を判断することはできる。
だが一方で残り契約2年というのは少し危うい状況でもある。もしここでアーセナルの控えストライカーに足ると判断され、23/24シーズンはクラブに戻りバックアップを務めるとすると、再びそこで彼がアーセナルの正ストライカーになれるかどうかわからないまま残り契約一年の状態に突入、という今のエンケティアを彷彿とさせる状況になってしまう可能性がある。
クラブはそろそろ選手を契約切れギリギリまでもつれこませる悪習を撤廃すべきだ。アーセナルはより毅然としたアプローチをとるべきだ。選手との残り契約が一年となった時点で、移籍金を得ての売却を行うことを徹底すべきなのだ。
この5年間アーセナルは基本的に売却が非常に下手で、エンケティアをはじめナイルズやチェンバースといった選手の売り時を完全に逃してしまった。
これに関してはアルテタにも責任がある。彼はこういった判断に関して時々決断力を欠くきらいがあり、昨冬もエンケティアをローンに出さないことを決めたが、もしここで彼をローンに出していれば、夏にはもっと買い手がついていたに違いない。
アルテタはエディーを留めたにもかかわらず、ほとんど出場させず、これによって夏の移籍を難しくしてしまった。
まだまだアルテタも学んでいる最中なのだとは思うが、そろそろ学習する必要がある。エドゥとアルテタは選手の売却に関してもう少し素早く決断を下せるようにならなくてはならない。
その次のケーススタディがバログンになる可能性はあり、ミドルズブラのローンを終えた後、夏にもしかするとクラブは彼をスカッドに留めるのではなく、彼の将来に関して決断する可能性がある。
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