冬の移籍市場で自らを弱めたアーセナル
冬の移籍市場が閉まり、次の夏までのスカッドのメンバーが確定した。アーセナルのこの冬の移籍市場は多くのファンを落胆させた、としか言いようがないだろう。
クラブはチームを強化するための代役を獲得させることなく、スカッドのかなり大きな一部の放出を決断した。 一か月前と比べてアーセナルのチーム力が弱まってしまったというのは議論の余地のない事実だ。
アーセナルは冬の移籍市場で6人のファーストチームのスカッドのメンバーを放出した。そこには元キャプテンであり、今季途中まではファーストチョイスのストライカーを務めていたオーバメヤンも含まれている。この期間中に彼は4得点も挙げた。
彼が何故アルテタに干されることになってしまったかは完全にはわかっていないが、監督が態度面の問題でオーバメヤンをチームの一員として見ていなかったのは明らかだ。ここまでの扱いを受けるからには、恐らく公になっている以上の何かがあったのだろう。
ただし、もしそうなのであれば、正直なところ、これ自体が問題だとは思わない。クラブが文化面で変わる必要があったのは間違いないし、オーバメヤンのメンバー外がそのための一歩なのであれば、致し方ないことだ。
だが、問題なのは、アーセナルの冬の移籍市場での立ち回りが(少なくとも外部からは)非常に無計画なものに見えた点だ。
我々はチームに貢献できる可能性があったスカッドのメンバーをほぼフリーで多く失い、かつその穴を埋める補強を全く行わなかった。
彼らはどちらにしろ大して試合に出場していなかった、という意見も見受けられるが、現代のサッカーは11人だけではなくスカッド全員で戦うスポーツだ。
今季のアーセナルの目標を達成するためには、一時的なものだとしても、もしファーストチョイスの選手が試合に出られなかった際にその穴をきちんと埋められる選手をベンチに揃えておくのは重要だ。
ここまで多くの選手を放出してしまうのはほとんど命知らずと言ってもいいようにすら感じられる。
チームの主力数人にインパクト系の怪我があれば、チーム力はがた落ちになってしまうだろう。今季残りの試合の日程はそこまで厳しくないため、疲労は心配しなくてもいいだろうが、ほんの少しの相手チームの危険なチャレンジ、あるいは選手たちが体をひねってしまえば、今季の開幕3連戦のアーセナルのような状態に逆戻りしてしまう可能性がある。
ファンは固唾をのんでチームの怪我の状況の発表を見守り、かつ試合展開を変えなくてはいけない時にはベンチを見て頭を抱えることになってしまうだろう。
ブカヨ・サカは相手にマークしており非常に多くファウルを受けるが、もし相手チームがやりすぎてしまったらどうなるだろうか。控えにはペペがいるが、彼一人だけだ。同じように、スミスロウがもしまた怪我をしたら、ウーデゴールがいるが、それだけだ。
もしジャカとパーティを欠くことになったらエルネニーとロコンガしかおらず、ロコンガは悪くないと思うものの、アーセナルはすでに何度かエルネニーの中盤を試しているが、彼はCL出場権を争うレベルにクラブを引き上げてくれる選手ではない。
もしかすると、そもそもアーセナルは今季CL出場権を得られるとは思っていなかったはずだし、ハードルを上げすぎるべきではない、という意見も耳にしたが、もしわれわれがリーグ2位に居たら、どちらにせよ優勝できるとは思っていなかったんだから、優勝を狙う必要はない、というだろうか?
あるいは、100m走で6位か7位くらいに終わると思っていたが、60mのところでメダル獲得のチャンスがあるとわかったら、ゆっくり走ろうと思うだろうか?
クラブに常に少しでも良い成績を目指してプッシュしてほしいと願うのは当然で、それは現状が想定していたよりも良いポジションだったとしても同様だろう。
だが、この移籍市場でアーセナルは少し追走の手を緩めてしまったように感じられる。
先ほど述べた通り、どちらにせよこの冬放出した選手はプレイしていなかったからリーグ戦の順位に影響はない、という意見もあるだろうが、オーバメヤンは今季プレミアリーグで4得点を決めているのだ。彼は1-0のノリッジ戦で決勝点を挙げ、トッテナム戦でも得点し、2-2のクリスタルパレス戦でも得点を挙げ、アストンヴィラ相手にも点を決めた。
ヴィラ戦とトッテナム戦では試合結果に直結する点を挙げたわけではないが、ある程度チームの勝利には貢献しているはずだ。
もしシーズンの序盤から彼がいなければ、アーセナルの今季はまた違ったものになっていたかもしれない。もしかすると、オーバメヤンがメンバー外となっているにもかかわらず、彼の穴を埋められる選手を獲得しなかったことで、もしかするとアーセナルはまた低い順位でシーズンを終えてしまうかもしれない。
個人的にはアルテタとアーセナルを信頼しているし、彼には成功してほしいと思っている。チームの応援を辞めるつもりはない。だが、今回の移籍市場で選手獲得を行わなかったことで、かなり多くの心配事とリスクを背負い込んでしまったと思わざるを得ない。
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コメント一覧
はいふつうにマーケットのルーザーですね、でもオーバのショックでちょっとなにがなんだか
27m£あっさり放棄するなんてぶっ飛んでる、ごちゃごちゃウルセーと
トミの最終日の獲得はおそらくウィリアンからの申し出20m£削減もあったのでわ、クラブにとってはそら大きいでしょう
エジルは批判されましたが選手らには当然受け取る権利はある訳です
オーバはいい時も悪くなってからも必死な姿勢は見せてきた
今シーズンも受け手になるプレー、プレスに奔走してきました
決して得意でなくても求められることに答えようと
クラブはなりゆきでコトここに至ったのでしょうが
規律という名目でヴラホビッチ含めたコストカットの目算がなかったとは言えないでしょう
若いチームは当然この一連を見ている、動揺もあるでしょう
マーケットも大事だけどクラブとして大事なものを無くさないように、人間がやってることなんだから
スタメン以外の力量に不安が残るスカッドなのに、
AMNやチャンバースのようなある程度の能力と経験、
そして何よりも汎用性のある選手を放出するのは違うと思う。
いくらスカスカで残り少ない日程であろうと、
スタメンを一度に複数欠く事態が容易に起こる今季。
最低限の手は打つべきだったと思います。
その例えは間違っている
例えば短期的な目標として今季のアーセナルの目標がUEL出場圏内だとしよう。
プラス今後を見据えたチームの中心人物の獲得、構想外の選手の放出
そして中期的な目標として来シーズン、再来シーズンでのUCL出場権の獲得だとして
前回の夏の補強でチームの中心人物の獲得(ウーデゴール、ホワイト、ラムズデール)は達成したが放出はできなかった
今回の移籍期間で放出にもある程度成功。オバのようなイレギュラーな事案もあったにもかかわらずチームのルールを一貫させて。
だが思ってたより順位が高く今年いきなりUCL出場圏内も目指せる順位にいるからと言って焦って選手を補強する必要はない。それは手を抜くとは違う。すでに目標を決め、計画し、練習し、レースは始まっている。
目標に向かって全力を出すしかないのだ。
レースの終盤でもっと上に行けると思ってももう遅いのである。それこそパニックバイであり、それこそがリスク。
個人的ににはアーセナルは色んな意味で良い方向に進んでいると思う
今季の残り試合だけでなく、
来季、またFAとリーグカップがあり、ローテーションが必要。
ヨーロッパががあれば、サブの役割は大きくなる。
その時、セドリックで良いのか?
また確実に、ナイルズやチャンバースより良い控えRSBを獲得出来るのか?
そう考えると、チャンバースは残して良かったのでは、と思います。
長期的に見れば2人も残す必要は有りませんが、
選手に余計なケガなどさせないためにも、今季一人は・・・