マルティネッリをトップレベルへと導く最大の強み
アーセナルの若いブラジル人FWガブリエル・マルティネッリこの1年間で多くのことを経験した。コロナのパンデミック下でハードワークでコンディションの維持に努めたが、その後トレーニングでひざのけがを負ってしまい、2020年の12月まで復帰できなかった。
それは成長の機会を失うだけではなく、ミケル・アルテタが新たなチームを作り上げる非常に重要な時期にアピールし、新システムでチームメイトと連携を築くのチャンスも失うことを意味していた。
復帰後また素晴らしいプレイを見せ、いつも通りのキャラクターとは癒えエナジーを見せたものの、その後またしても練習で足首をひねってしまい、試合後の会見でアルテタはマルティネッリは少し復帰を急がせすぎ、より慎重に対処する必要があると認めた。
その後マルティネッリは散発的な出場機会しか得られなかったが、シーズン終盤に近付くにつれて少しずつ機会は増えていった。
だが、このような状況にもかかわらず、マルティネッリは常に練習の手を抜くこともなく、まるで次の試合でスタメンするかの迫力で練習を続けたそうだ。
21歳以下の選手が、経験豊富なプロが自信喪失に陥ってもおかしくないような障害と挑戦にぶつかりながらこのような意志の強さとプロフェッショナリズムを見せ続けたというのは驚きだ。
そしてこれはオリンピックのブラジル代表召集という形で報われることになる。そこまで多くは出場しなかったものの準決勝ではPKを決め、チームは優勝を収めた。
そこから引き続いて今季もそこまで出場機会が多かったわけではないが、先日ニューカッスル戦で怪我のサカに代わって登場すると即座にインパクトを見せた。
ボールがサイドの冨安に出た瞬間にニューカッスルの守備陣を置いて走り出し、ゴール前に到着するタイミングは完ぺきだった。冨安はワンタッチでクロスを上げ、マルティネッリはそれを肩越しに振り返りながら落ち着きを保ち、完璧なボレーを素晴らしい技術で沈めて見せたのだ。これで試合結果は動かぬものになった。
このように即座にインパクトを残すプレイが出来るというのもマルティネッリのメンタリティの表れだろう。
彼は出場機会の少なさや、先発ではないということをコンディションやメンタリティに影響させない。この点に関する称賛は試合後のアルテタのコメントにも見て取れた。
マルティネッリのことを考えると本当にうれしいよ。彼の振舞は素晴らしい。彼は忍耐強く、チームの決定を受け入れるが同時にプレイ面・実力でそれに挑戦しようとするんだ。彼はもっと出場するに値するし、私の決断はどんどん難しくなるね。
彼のエネルギーは決して弱まることなく、コンスタントにプレスをかけ、ボール奪取に走り回り50/50を戦い続ける。
その次のマンチェスター・ユナイテッド戦でもウーデゴールの同点弾を演出するボールでその技術の高さを見せつけた。チームはそこからまた失点してしまったがその後の5分間はマルティネッリを象徴するような時間だった。
チームは同点弾を決める活力を欠いており、彼は自分一人でエンジンをかけることを決めた。もとより彼は自分からチームにエネルギーを注入できるタイプの選手だ。
空中戦に挑み、ボールを拾い、2人のDFを突破し、40mを走ってオーバメヤンへとボールを送った。より自身のある時のオーバメヤンだったら決めていたかもしれないし、あるいはまだ走り続けていたマルティネッリの足元にボールがこぼれてくる可能性もあっただろう。
このファイティングスピリットこそがマルティネッリの神髄だ。絶え間なく常に走り続け、常にさらに多くを要求し、常に成長を続ける。
このような粘り強さと競争性といった素質は後から選手に教えるのは難しいもので、マルティネッリが今後のアーセナルのチームにおいてカギとなるのは間違いない。
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