アーセナルフロント陣紹介 2021/2022
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エドゥ・ガスパール: Technical Director
現在のアーセナルの運営体制は基本的には監督のミケル・アルテタが中心となるような形で行われているはずだが、それに次ぐ、あるいはほぼ同等の立ち位置にあると言えるのがこのエドゥだ。
元々はアーセナルでプレイ経験のあるエレガントなMFだが、ブラジルサッカー協会などでのキャリアを経てアーセナルのテクニカルディレクターに就任を果たした。
現在アーセナルはスカウト部門を統括していたミスりんたーとが去り、そしてチーフスカウトであるフランシス・カジガオらを解雇したのち、スカウトを統括するポジションを置かず、エドゥ直下とするという体制をとっている。
実質的にアルテタとエドゥの2人がチーム作りを担っているわけだが、そんな中この夏アーセナルが若手志向に舵を切ったのは興味深い。アルテタは今まではどちらかと言えばベテランを重用する姿勢を見せてきたため、当然ながらアルテタとの合意はあったと思われるが、これは恐らくエドゥ主導の方針転換ということなのだろう。
まだ結論を出すには早いが、ヴェンゲル体制、ガジディス体制、サンジェイ体制を経てようやくアーセナルはエドゥのもと、再び安定したクラブ運営体制を整えることが出来るだろうか。
懸念点としては、現在のアーセナルはエドゥ&アルテタは一蓮托生、といった感じなので、現在こそ好調であるものの、もしアルテタが監督として最終的に失敗だったということになった場合に一緒にエドゥもクラブを去る可能性が高そうなことくらいだろうか。
ジョシュ・クロエンケ: オーナーの息子
アマゾンのドキュメンタリーのカメラが入っているから、とシニカルに見る向きもあるが、最近アーセナルでの存在感を飛躍的に高めているのがオーナーのスタン・クロエンケの息子であり、実質的にオーナーの代理といってもいい息子のジョシュだ。
つい先日も試合観戦にエミレーツを訪れていたりと、アスレチックのジェームズ記者によると、コロナ以前はもともとかなり頻繁にロンドンを訪ね、アーセナルんの運営に積極的にかかわる姿勢を見せていたそうだ。
ポケットマネーを出している、というわけではないようだが、最近のアーセナルの移籍市場での振舞いにかなり金銭的な余裕を感じるのは、ジョシュ・クロエンケがアーセナルに興味を向けだしたのと無関係ではないだろう。
アメリカのジョシュ・クロエンケの自宅で行われたバーベキューでペペ獲得のGOサインを出した、という報道もあり、実際にドラマのようにアメリカのビジネスのプレーヤーたちは本当にそういった場でビジネスの決断をするのか、と少し面白かった。
実務的な部分はアルテタとエドゥに任せてはいるだろうが、現状恐らく唯一エドゥやアルテタの方針に異議を唱えたり、チェック&バランス機能を果たせるのは実質ジョシュだけといっていいはずなので、実は一番アーセナルの命運を握るのはこの男かもしれない。
リチャード・ガーリック: Director of Football Operations
もともと契約交渉を担当していたハス・ファーミーが(エドゥの部下、という形での自身の裁量に不満があったと報じられていた)退団となったことを受けて、代わりに契約交渉周りを担当するために招聘されたのがこちらのガーリックだ。
元々はウエストブロムでテクニカルディレクターやフットボールディレクターなどを経てプレミアリーグのディレクター職を務めていたところをアーセナルに引き抜かれた。
元々はスポーツを専門とする弁護士でもあり、契約に関する法律周りもお手の物ということだろう。
前任のハス・ファーミーはもともとサッカー畑出身ではなかったということもあってかアーセナルの契約交渉はそこまでうまくいっていなかった印象なので、英国で、かつサッカー界での経験豊富なガーリックは大いに力となってくれるのではないだろうか。
ちなみに、最近のアーセナルはかなり指揮系統がしっかり定まってきたおかげで、きちんとした運営がされている一方で若干スピード感を欠く、という状況にあるらしい。
ガーリックは交渉をしながら一段階ごとに逐一エドゥやオーナーに確認を取り、承認を待って交渉を行う、というプロセスを経て選手獲得の交渉などを行っているそうだ。
ヴィナイ・ヴェンカテシャム: CEO
サンジェイが去って以降は、彼がそのまま表舞台に立つかとも思われたが、結局そうはならず、今の所は縁の下の力持ちというイメージだ。アーセナルのスポンサー契約など、ビジネス面を統括しているはずだが、むしろ最近はガジディスより目立たないくらいである。
アーセナルの商業面はあまりうまくいっていないが、これはリーグ順位など成績がこの数シーズンは残念なことになっているのが大きな原因であると思われ、ヴィナイの力で何とか出来るものなのかは如何とも判断しがたいところだ。
欧州ビッグクラブの上層部としては珍しく、外部招聘ではなく内部昇格の人で、イギリス育ちでオックスフォード大学で修士号を取得しており、もともとアーセナルファンらしいのは好感が持てる。
まだ40歳くらいだと思うのだが、会社員として考えるともともとオイルトレーダーやコンサル(デロイト)を経てアーセナルでグローバルパートナーシップを担当する部署に入社、10年足らずでCEOで昇りつめたわけで、とんでもないエリートである。
スーパーリーグ構想を巡るごたごたを経てECAの席を失っていたが先日しれっと何事もなかったかのように復帰していて笑った。
ティム・ルイス: Non-executive Director(社外取締役)
アーセン・ヴェンゲルがクラブを去っていこう、らせん階段を下るように急下降を続けていたアーセナルに流石にヤバいと思ったのか、具体的な経緯は不明ながらオーナーのスタン・クロエンケ直々に取締役会入りしたM&A専門の敏腕弁護士。クリフォードチャンスという世界最大級の国際弁護士事務所に所属。
彼がアーセナルにやってきてすぐサンジェイが退任となったので、何かしら以前からオーナーにとっては気になる点などがあったのだろう。
元々クロエンケがアーセナルの株式取得に当たってアドバイスを求めたことから繋がりが生まれた弁護士のようで、かなりオーナーからの信頼は厚いはずだ。
また、英国人で(恐らく)英国在住なので、流石にそこまで頻繁にはロンドンを訪れられないオーナーに代わってクラブを視察したりという意味でもぴったりだったのだろう。
ただ、サンジェイ退任以降は具体的にルイスが何をしているのかの報道などは全くないので、今の段階で実際にどのような役割をアーセナルで担っているのかは少し不透明だ。
もともM&Aが専門ということなので、アーセナルの経営面でのアドバイスなどをしているのだろうか。
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