ローン先のマルセイユで素晴らしい活躍を見せるウィリアム・サリバ

分析

そろそろ1月の移籍市場が近づいてきていることもあり、ユースチームの選手たちやマルティネッリ・バログンらにちらほらとローン移籍の噂が出はじめているが、夏にローンに武者修行に出ることを選択したアーセナルのウィリアム・サリバは今季既に素晴らしい活躍を見せている。

サリバは既にユースチーム経験しかない若手ではなく、アーセナル移籍前の時点でリーグアンでの出場経験もあるため当然と言えば当然なのだが、出場機会を得るのに苦戦することも多いローン移籍という形ながら、既にマルセイユでリーグアン12試合ヨーロッパリーグ4試合に出場を果たしている。

リーグアンで出場がなかったのは第7節のアンジェ戦のみで、その他の試合では全て90分出場しているため、マルセイユで絶対的なスタメンの座をつかんでいるといっていいだろう。

また、チーム今季好調で、リーグではPSGが頭一つ抜けているものの、2位の勝ち点24のランスを勝ち点1差で追う4位にチームはおり、チャンピオンズリーグ出場権争いを繰り広げている。

PSG相手の試合でも0-0の引き分けに持ち込みクリーンシートを記録しているし、マルセイユは今季12失点とリーグ二位の守備の堅さを誇っている。サリバに関して言えば、出場した試合16のうち半分の8試合ではクリーンシートを達成している。

今季すでにリーグアンの各節ベストイレブンに4度選出されるなど、20歳とは思えない活躍ぶりで、サカと並んで今年のゴールデンボーイ賞候補にもノミネートされるなど、既に評価だけで言えば欧州屈指の若手CBと言って過言ではない。

今季のスタッツを見てみると、タックル数やインターセプト数などはそこまで目立ってはいないが、プログレッシブパス数やボックス内へのパス含む今季ここまでのパス関連のスタッツは素晴らしく、5大リーグトップレベルだ。

成功率の高いショート&ミドルパスが非常に多いのが特徴で、アーセナルの選手と比較すると、ベン・ホワイトやガブリエルは90分当たりの平均パス成功数が40-50程度なので、実に1.5倍以上の数字だ。

また、ロングパスは本数こそ少ないものの、成功率はかなり高い。そして、ロングパス自体はそこまで多くないにもかかわらず、プログレッシブパスやファイナルサードへのパスも非常に多いため、これは恐らくチャンスを逃さず、ボールを前に進められるパスをきちんと選んで出しているということだろう。

また、パスと同じく、ドリブルに関してもとんでもないスタッツを残している。ボールロストが多めなのは気になるところではあるが、ボールの持ち上がりの回数・ボールの持ち上がりによる前進距離・ドリブル突破数全てにおいて欧州のCB上位1%にはいる数字だ。

もちろんアーセナルのこれまでの経緯を見るに、フランスでどれだけ活躍しているからと言って、アーセナルに将来があるだろう、と断言できないのは少々残念ではあるが、先日サリバ自身はアーセナルに来季戻ってポジション争いに臨むつもりでいる、といった旨の報道も出ていたし、今季は以前たびたび聞かれていたアーセナルに対する恨み言のようなコメントなどもなく、もしかすると、来季からは本格的にプレミアリーグで戦う準備が整ったサリバを見ることが出来るかもしれない。

サリバは左CBとしての経験もあるものの、かなり右足でのプレイ偏重なので、恐らくアルテタの下では右CBでのプレイがメインとなるのではないかと思われるが、現状アーセナルの控えCBは安泰とは言えないので、来季サリバがホワイトとポジション争いを繰り広げるのであれば、それは非常にハイレベルで見ごたえのあるものになるだろう。

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Posted by gern3137