タヴァレスの溢れるポテンシャル
2021年の1月末に、アーセナルはティアニーをけがで欠くこととなかった。この時彼の代役がおらず、アルテタは右サイドバックを左で起用することを強いられた。
セドリックの名誉のために言うと、彼はそこまで悪いプレイを見せたわけではない。だが、ティアニーとの差は明らかで、彼を欠いた5試合でアーセナルは2勝しか出来なかった。
昨季アーセナルが抱えた問題は浮き彫りになった。ティアニーはキャリアを通して怪我に苦しんできた選手でもあり、彼の控えが居ないままシーズンを送るのはリスクが大きすぎ、アーセナルは夏に左サイドバック獲得に動くことになった。
そうして白羽の矢が立ったのがヌーノ・タヴァレスで、彼がアーセナルの夏の最初の補強となった。SNS上のいざこざでファンとの関係が悪化しており、ベンフィカはたったの7m£で彼を手放すことを決断した。
プレミアリーグでの活躍
今季当初はタヴァレスはベンチとカップ戦が主戦場となっていたが、アストン・ヴィラ戦前にティアニーが怪我をし、タヴァレスがスタメンすることとなった。
そこからの2試合で彼は素晴らしいパフォーマンスを見せている。
ティアニーは非常にダイレクトなプレイスタイルで、好調時に彼は一対一を仕掛け、相手を突破すると素晴らしいクロスをボックス内に放り込むことが出来る。
タヴァレスはそれと同じインパクトを残すことができ、ティアニー以上だという声すら上がっている。
パワフルなランと無尽蔵のエネルギーで彼は相手にとって悪夢となり、勢いに乗ってしまえば彼は信じられないようなスピードがあり、DFは手を焼いた。
ティアニーと同じようにタヴァレスはアルテタのシステムで非常に高い大外の位置でプレイすることが多い。スミスロウを追い越して走っていく形での連携も上手い。
このような走り込みをタヴァレスは常に狙っており、アストン・ヴィラ戦では得点していてもおかしくなかった。
また、レスター戦では試合を通して彼の守備力が試されることになったが、これにもよく彼は対処した。2回のインターセプト、3回のクリアに3回のボール回収を記録し、後半にトリッキーなルックマンを良く抑えた。守備面でも力強いパフォーマンスだったと言える。
もちろんこの試合で彼が攻撃で輝かなかったわけではなく、タヴァレスのボールをもってパワフルに走る能力がアーセナルを助けた。判断ミスをする場面もあったとはいえ、これは若手にはつきものだし、今後のコーチング次第で改善することが出来るものだろう。
ティアニーはその座を奪い返さなくてはならない
アルテタはティアニーがいつ復帰できるかに関して明言しなかったものの、代表戦もあることだし、そこまで長くはかからないと願いたい。
ただし、ティアニーは簡単にスタメンに復帰するというわけにもいかないだろう。2試合だけだがタヴァレスは出色の出来で、攻撃面に関して言えばティアニーよりも一貫して脅威となっている。
もちろん2019年にアーセナルにやってきて以降ティアニーもほとんど完ぺきに近いパフォーマンスを見せており、次期キャプテンの呼び声も高い。
健全な競争は歓迎すべきだろう。
アルテタが2人の若くハングリーな左サイドバックの中から先発を選ぶことが出来るという状況はポジティブなものだ。
もちろんタヴァレスの評価を下すのはまだまだ早いのは承知の上だが、彼もまたアーセナルの2021年夏の大成功の獲得になりそうだ。
移籍金は安く、印象的な活躍を残している。
アーセナルで今後さらにフィジカル技術面で向上していけば、彼のプレイの質はさらに高まるばかりだろう。この獲得がアーセナルにもたらすものは計り知れない。
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