ローン先で活躍するアーセナルのCB達の将来は?
今季アーセナルからローンに出ている選手のうちで、最も活躍しているのがCBの選手たちであるのは間違いなく、来夏は興味深いものになるだろう。
この夏5人のCBがアーセナルからローンで移籍し、サリバはマルセイユ、バラードはミルウォール、クラークはロス・カウンティ、マヴロパノスはシュツットガルト、ディンゼイはカーライル・ユナイテッドへの移籍となった。
このうち出場機会を得られていないのはディンゼイのみで、他の4人のローンは今の所大成功といえる。
当然ながら最も注目を集めているのはウィリアム・サリバで、ヨーロッパリーグ出場権も持つマルセイユで、リーグアンで上位争いを演じている。
彼はマルセイユで既に12試合に出場しており、クラブが5度のクリーンシートを記録する手助けをしている。PSGでメッシとエムバぺを抑えて0-0に持ち込んだ試合もあった。
バラードは今季はチャンピオンシップへのローンということでステップアップを果たしたが、その適応に問題はなく、ミルウォールファンからも愛されているようだ。もしチャンスが与えられればアーセナルでも将来があるに違いないとまで彼らは言う。
最も出場試合数が多いのがバラードでもあり、今季すでに16試合に出場し、しかもリーグ戦ではほぼフル出場だ。チーム全体で見ても、失点数でミルウォールはリーグ6位に立っている。
同じようにクラークも昨季の4部からスコットランド1部へとステップアップを果たし、8月には月間最優秀選手賞も獲得した。
興味深いことに、ロス・カウンティの監督マッケイはクラークをCBではなく右サイドバックとして最近は起用しているが、このポジションで彼は得点とアシストを挙げている。
ただし、チーム事情は良いと言えず、クラーク加入後チームは一生も出来ておらず、その中でクラークは一人奮闘している。
マヴロパノスに関しては、シュツットガルトが降格しない限りは自動的に完全移籍でシュツットガルトの選手となるという契約となっており、現在彼らは13位だが、仮に降格したとしてもシュツットガルトが望めばマヴロパノスを獲得することが出来る、という形となっているようなので、アーセナルに来季彼が帰ってくる可能性は非常に低いだろう。
ディンゼイに関しては今後次第だが、ここまでの状況を見るに、来夏アーセナルに評価を高めて帰ってくるのはサリバ、クラーク、バラードの3人ということになりそうだ。
問題は、夏にクラブは彼らをどうするのかだろう。
解決が最も簡単なのがクラークで、彼はまだ20歳なので、もう一年ローンに出すことが出来るだろう。現状の調子を維持できれば、イングランド内のより上位のクラブからの興味を集められるかもしれない。完全に席にせよローンにせよ、アーセナルが彼の放出先を見つけるのに困ることはないはずだ。
サリバにとっては来年がアーセナルでのキャリアの分かれ道になるだろう。ファーストチームに帯同する、あるいは完全移籍での放出となる、の2つの選択肢しかないように思える。彼はガブリエルとホワイトに次ぐ素晴らしいオプションになるはずだし、出来ればアーセナルでのプレイを見てみたいものだ。
だがそうなると問題は、バラードのスペースがなくなることだ。彼は実はサリバよりも年上でここ3年連続でローンに出ている。
彼は素晴らしい将来性があるし、そろそろ腰を据えて定期的な出場機会を与えられるべき時期だが、それがアーセナルで実現するとは考えづらい。
そのためにはアーセナルはマリはホールディング、チェンバースといった選手たちを放出する必要があるだろう。そして、U-23にはレキクのようなCBも控えている。
バラードに契約延長を持ち掛け、プレミアリーグにローンに出すというオプションもなくはないが、恐らく彼はこの夏アーセナルを去ることになるのではないだろうか。
ここまでの活躍を考えると残念ではあるし、その分の移籍金も期待したいところだが、アーセナルは抱えるCBが多すぎ、夏にいくつかタフな決断を下すことになるだろう。
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