冨安が両利きであるという点が彼の守備力をより高めている
アーセナル新加入の右サイドバック冨安健洋がファン投票による9月の月間MVPに選ばれた。
彼はそれに見合う活躍を見せており、彼は力強い守備で右サイドを封殺している(例外的にブライトン戦ではククレジャ相手に少々苦戦はしたが、これは良い経験になったはずだ)
ノースロンドンダービーではチーム最多のボール回収数を記録し、なんと、既に今季ここまでの時点で、昨季のベジェリン、セドリック、チェンバースのクロスブロック数の合計に並んでいる(!)
さらに彼は空中戦をはじめ、タックル・インターセプトなど幅広いスタッツで素晴らしい数字を残しているが、これは彼のポジショニングと戦術理解力が理由だろう。試合に臨む姿勢も素晴らしい。
だからこそ、アルテタが冨安獲得を熱望したのだ。高いサッカーIQを持ち、ハードワークが出来る選手。
そして、冨安のプレイにおいて非常に重要な役割を果たしているのが、彼が両利きであるという点だ。
これはビルドアップへの貢献という文脈で語られることが多いが、守備にも活きているのは間違いない。
ドリブルを止める際にもどちらの足を出すことも出来るし、クロスのブロックも同様だ。アタッカーと同じようにDFも基本的には利き足で相手に対応することを好み、したがって逆足での対応には一種運ためらいが生じたり、質が下がってしまったりする。しかし冨安はそのような問題を抱えていない。
さらに、神経筋的な目線、そして体勢という点から見ても、サッカー選手は利き足に影響された姿勢をとることが多い。
例えば、利き足側に体を開く方が選手は得意なものだし、加速の際にも一歩目は利き足から踏み出すものだ。
上で述べた守備アクションと同じように、これにより、どうしても逆足側のプレイが強いられる際にはそれらのパフォーマンスが落ちてしまう。
だが、冨安はそのような状況に陥ることが少なく、利き足に影響されない動きを行うことが出来るというわけだ。
さらに彼はジャンプと、その着地の際、どちらの足でも問題なく行える。多くの選手はジャンプと着地の際にも得意な足があるものだが、冨安はより多彩な体勢からジャンプできる。
戦術理解力とポジショニング、サッカーIQと合わせて、両利きによってもたらせるこれらのメリットが、彼の守備を素晴らしいものにしている。
これが彼がCBやサイドバック、様々なポジションでプレイできる理由でもある。
彼は日本代表ではサイドバックではなくCBとしてよく機能している。
そして、このユーティリティ性は、アルテタにとってもカギとなるはずだ。冨安はバックラインに吸収され、CBとしてプレイすることを苦にせず、ボール前進能力も高いため、チームに多くの新たな側面をもたらせる。ジャカが3バックに落ちる形を起用しなくても良くなるというのも大きい。
次に冨安のプレイを見るときには、彼が両利きであるという点がどのように守備時も彼のプレイにポジティブな影響を与えているかにも注目してみて欲しい。
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