ウーデゴールとスミスロウは共存可能である
この夏アーセナル移籍が取りざたされていた攻撃的MFは2人いた。レスターのジェームズ・マディソンと、既にアーセナルにローンで6か月間在籍していたマルティン・ウーデゴールだ。
アーセナルファンの間では前者の方が人気があり、スミスロウとウーデゴールは共存できないのではないかという声も上がっていた。
だが、私はマディソンではなくウーデゴール獲得を選んだことは正しかったと思うし、彼とスミスロウは共存可能だと考えている。今回はその理由を説明していきたい。
良く言われるのは、スミスロウに最も適したポジションはトップ下だという点だが、この場合、ウーデゴールが居なければ、アーセナルは4-2-3-1の中央にスミスロウを起用し、左右にサカとペペという形になるだろう。
しかし、最近のアルテタサッカーの最も大きな問題点の一つは攻撃が左に偏りすぎることだ。
スミスロウは中央から左に流れる傾向にあり、例えばペペ-スミスロウ-サカの前線だと、ティアニーがペペの外側をオーバーラップし、そしてそちらにスミスロウも向かっていくことになってしまう。攻撃の組み立ての起点となるジャカも左側でプレイする選手だということを考えると、左に選手が密集しすぎてしまい、相手にとってこれは読むのが簡単だ。
ウーデゴールがメンバーにいるときの方がアーセナルはよりバランスが良くなり、それはトッテナム戦で明らかだった。
アーセナルはフォーメーション表上では4-2-3-1だが攻撃時には3-2-4-1になり、ガブリエル・ホワイト・冨安の前にジャカとパーティ、そして両サイドにティアニーとサカ、その間にスミスロウとウーデゴールが来て、前にオーバメヤンという形だ。
このシステムがトッテナム戦でうまくいった理由は、彼らが自身の役割をよく理解していただけではなく、お互いのサポートの仕方もわかっていたからだ。
スミスロウは左サイドから中に入ってティアニーが前に上がるスペースを空け、逆側ではウーデゴールが右に流れ、そしてサカのベストポジションが右サイドなのは明らかだ。
この形であれば、スミスロウはスタート位置は左サイドでも、左サイドの大外の選手としてプレイするわけではない。むしろ、スミスロウとウーデゴールの2人が左右のハーフスペースでプレイする形になり、これは二人の才能豊かな選手を最もよく活かせる形だ。
スミスロウはボールを持った際にはパワフルでダイレクトなプレイを好み、相手陣を引き延ばし、チームを前に進めるようとする。
一方で、ウーデゴールはより司令塔タイプで、流れをコントロールする。彼の視野は素晴らしいし、ボールを保持する能力も非常に高い。そういった意味では、二人のボールを前に進める方法は全く逆だと言える。
今回のノースロンドンダービーではなく、その前のトッテナム戦では、スミスロウからティアニーへ、そしてDFをかわしたティアニーが素晴らしいボールを供給してウーデゴールがネットを揺らした。
先週のスミスロウの得点も似た形で、ウーデゴールがボールを拾うとサカをみつけ、サカがスミスロウの右足に合わせたところを彼が得点した。
両方のケースで言えるのは、得点しなかった方のMFが、攻撃を開始するパスを出した後ボックス内でチャンスをうかがっていたという点だ。
多くのファンがスミスロウとウーデゴールの大きな課題はより得点に直接つながる形で相手を脅かすことだと考えており、それは理解できる。
だが、先週目撃した通り、今のシステムはこの二人の能力を引き出すことができる。
残念なことに、このシステムでカギとなるジャカがけがで離脱となってしまったので、アーセナルがこのアプローチを今後も継続できるかはまだわからない。サンビ・ロコンガも印象的な活躍を見せているが、彼がジャカのような役割を果たせるかはもう少し時間が経ってみないと分からない。
スミスロウとウーデゴールのパートナーシップは将来花開く可能性があり、既にその基礎をミケル・アルテタは作り始めている。今後二人がより連携を深めていけば、もしかするとアーセナルの歴史に名を残すようなペアになってくれるかもしれない。
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コメント一覧
ウーデゴールの守備。又その振舞いに感心すべき点は多々ある。去年とは全く違う。以前の発言を取りけします。前に気付くべきでした。すみません。
ロコンガに期待してたが、オフザボールや特にネガトラの動きがひどい。それにジャカのように楔のパスは出せない。ジャカの役割なんて今はまだまだ無理。エルネニーがもう一人増えたようなもん