【戦術分析】トッテナム戦で垣間見えたアルテタのプロジェクト 前編
アーセナルは先日のノースロンドンダービーの前半で圧倒的なパフォーマンスを見せ、素晴らしい流れの3得点を挙げた。
2021年の3月にアルテタはいつかアーセナルでのプロジェクトが花開くだろう、と語ったが、この試合はまさに花開いたアーセナルがどのようなものか見えた試合だった。
後ろでボールをつなぐのを苦にせず、相手をおびき出してプレスをかわすとラインブレイキングパスから前で数的有利を作る。
前半のパスマップから、アーセナルのビルドアップがほぼ完ぺきに近い3-2-5で行われていたことがわかる。冨安がCBの位置に入る形だ。
これにより、アーセナルは攻撃を前に進めながらカウンターに備えることが出来ていた。
試合開始直後からアーセナルはトッテナムを圧倒し、オーバメヤンとスミスロウのプレスからロングボールを誘発、ジャカがその後の空中戦に勝利した。
その後パーティがボール回収する場面もあったし、冨安も二度のヘディングを見せた。
ここからアーセナルはリズムに乗り、トッテナムのプレスを誘ったが、既に最初からこれは機能していた。
ガブリエル、ホワイト、冨安の前にジャカとパーティが位置する形で、ホイビュアがつり出され、ホワイトがジャカへのパスを入れることが出来た。
そこからアリがジャカにプレスをかけに来たが、ジャカはマークが外れていたスミスロウにボールを出せ、それと共にティアニーが左に開いてオプションとなった。逆ではパーティも走りこんでいる。アーセナルのボランチは一人が自由になって前に走れる形で、これが相手陣でオーバーロードを作り出すのに一役買った。
スミスロウの両側にオプションがあったことで、彼はターンしてドリブルでボールを前に進められた。最終的にティアニーを経てサンチェスの裏のオーバメヤンにボールは届けられた。
これはコーナーに繋がり、この試合の今後のアーセナルのプレイを予感させるものだった。
1得点目: スミスロウ
アーセナルの一点目はまたしても相手にロングボールを強い、ホワイトが空中戦でケインに勝利した(!)ところから始まった。上の場面では、冨安が後ろに下がり、ホワイトがボールを奪えなかった場合のカバーに向かっているのがわかる。
ここからジャカのフリックを経てウーデゴールにわたり、オーバメヤンが前に走っているが、彼がダイアーとれレギロンを引き付けているので、外でサカがフリーになっている。
ここからサカがレギロンをかわして中にボールを返し、オーバメヤンがファーに走ったことでスミスロウが入り込むスペースが生まれた。
スミスロウがダイレクトでボールをゴールに叩き込んだわけだが、ボールには触れていないものの、オーバメヤンがトッテナムのDFを引き付けてチームメイトのためにスペースを作るという非常に重要な仕事を果たしている。
(後半に続きます)
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ディスカッション
コメント一覧
トライアングルではなく、縦パスを戦術の根幹とした場合、ぽじしょなるプレイは不可能。ティアニーのラインを彼一人に任せボールホルダーのラインを縦3人OKにしたのが、最も重要。グアルディオラ氏を超えるという意味でも。リーズの選手を取ったのはこの戦術の為だったのかと、思う。ビエルサ氏に対しては、前にこちらで指摘したように、少々非人間的な戦術もあり、全面的に支持はしないが、英国の人にマークというものを教えた功績は大きい。
ティアニーの存在理由を見つけてしまいました。守備でも頑張って頂きたいと修正します。
すみませんです。