【アーセナルのターゲット】アーロン・ラムズデールとは?
各所でアーセナルのこの夏のGK獲得の第一ターゲットがアーロン・ラムズデールだと報じられていますが、シェフィールド・ユナイテッドはラムズデールに対して32m£というかなり高額な移籍金を設定しており、交渉はそこまで順調に入っていないようです。
移籍金の額もあり、アーセナルファンの間ではあまり評判の良くないラムズデールですが、一方でGK分析コミュニティ界隈ではそれなりの高評価をされているという話もあります。
今回はその彼がどのような選手なのかを見ていきましょう。
ラムズデールの基本プロフィール
ポジション: GK
年齢: 23
利き足: 右
身長: 188cm
所属クラブ: シェフィールド・ユナイテッド
Transfermarkt算出の市場価値: 12m£
契約満了: 2024年
FIFAレーティング: 74 (ポテンシャル79)
ラムズデールの特徴・経歴
ラムズデールは現在のプレミアリーグの若手としては珍しく、幼いころからビッグクラブのユースに所属していた、といったエリート街道を歩んできた選手ではありません。
ストークに生まれ、地元のチームや、ボルトンユースなどを経て、シェフィールドユナイテッドのユースチームに加わったのは15歳の時のことでした。2014年まで通っていた高校のサッカーチームでも並行してプレイしていたようです。
その後ウィンブルドンやボーンマスへのローンを経て本格的にブレイク、シェフィールド・ユナイテッドでもチャンスを掴み、EUROのイングランド代表のGKに怪我が続発したという経緯もあり今回のユーロのメンバー入りも果たしました。
23歳というのはGKとしてはまだまだ非常に若く、将来性がある選手で、アーセナルが狙っている理由の一つでもあり、かつシェフィールド・ユナイテッドがかなり強気な移籍金を設定するのは彼がイングランド人でホームグロウンであるというのが理由でしょう。
アーセナルとしては過去にダビド・ラーヤを狙っていたことからもわかる通りホームグロウンであるという事は非常に重要であるようで、またシェフィールド側からするとまだ契約が3年残っているラムズデールを安価に売却する必要もない、という姿勢のようです。
ラムズデールのスタッツ・プレースタイル
ラムズデールのGK関連のスタッツを眺めても、率直に言って平均的、という印象でそこまで目立ったものはないように感じます。
セービング力を表す指標である90分当たりのシュート後失点期待値-実失点の数字も+0.05と悪くはないものの、そこまで抜きんでてはおらず、例えばレノは0.12ですしエミ・マルティネスは0.21です。
レノとの比較でいうと絶対的なセーブ数などはレノよりかなり多いですが、これはチームの傾向を考慮すればある程度当然と言えば当然でしょう。
セーブ率でいえば若干レノ(69.2)を上回る70.7%ですが、リーグトップクラスというわけではないですし、クロスや飛び出しに関しても(他の能力と同じく、悪くはないものの)そこそこ、といった感じで数字を見るだけではなかなか突出した点というか、得意分野が掴みにくい選手ですね。
また、パス能力に関してはシェフィールド・ユナイテッドが現状プレミアリーグでも非常にロングパス志向が強いチームであることと相まってラムズデールの成績をチームの傾向と切り離して考えるのを非常に難しくしています。
ラムズデールは昨季ニック・ポープとジョンストンと並んでプレミアリーグで最もロングキックが多かったGKの一人で、なんとそのパスのうち70%が36m以上のロングパスでした。当然ながらそれに伴ってパス成功率なども低めに出るので、かなり比較が難しいです。ショートパスとミドルパスに限って言えばそれぞれ成功率96.6%、98.1%とそれなりの数字で、かつボーンマス時代にはさらに高い成功率でした。
ただし、実は昨季このロングパス率が22%とリーグ1低かったのが我らがベルント・レノで、さらにレノのショートパスとミドルパス成功率はラムズデール以上の数字を残しています。
もちろんGKというのはまだほかのポジションと比べて一般に出回っているスタッツの精度がそこまで高くないポジションという印象はあるので、アーセナルのプロのスカウトやデータアナリストが分析の結果としてラムズデールに白羽の矢を立てたのであれば、これらのデータには表れていない何らかの強み、あるいはアルテタの求める要素が存在しているということなのでしょう。
23歳とGKしては非常に若いので、今後の成長は見込めますし、パス精度に関しても、ショートパスからのビルドアップ主体のチームで何年かプレイすれば適応する可能性もあります。
ただ、これ以前にアーセナルへの移籍の噂が出ていたのがダビド・ラーヤとオナナ、だったことを考えると一見かなり大胆な方針転換に見えるので、逆にこの移籍がもし実現したら、ラムズデールがチームに何をもたらしてくれるのか、あるいはアルテタが何を見込んでいたのか実際に見られるのが少し楽しみには感じます。
合わせてどうぞ:
(記事中のスタッツは全てFBrefのものです)
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