攻撃力抜群!【スタッツで見る】ヌノ・タヴァレス
ついにアーセナルのタヴァレス獲得が発表された。もしあなたが私と同じように、彼のプレイを5分くらいしか見たことがないのであれば(ヨーロッパリーグでアーセナル相手に出場した5分のことだ)、タヴァレスのことを良く知るためにまずスタッツを見てみるのは良い考えかもしれない。
まず、彼の全体的な能力を表した図を見てみよう。
総合的に見てかなり良い数字を残しているように見えるが、彼のプレイ時間がそこまで多くない(880分)という点にだけは留意する必要がある。
私はポルトガルリーグについての専門家ではないが、ランキングを見る限り、上位3-4クラブを除いた他のチームはチャンピオンシップくらいのレベルにあるかもしれない。したがって、以下に見ていく数字は我々が想定しているプレミアリーグクラブより格下といえる相手に残したものかもしれない、という点にも注意する必要がある。
攻撃面
シュート数: 6 (90分あたり0.6)
xG: 0.6 (90分あたり0.05)
キーパス数: 15 (90分あたり1.5)
アシスト期待値: 1.16 (90分あたり0.12)
オープンプレイからのクロス企図数: 40 (90分あたり4.1)
オープンプレイからのクロス成功率: 27.5% (これはそこまで高く聞こえないが、実際はかなり良い数字だ)
ゴールから25ヤード以内に(クロス以外で)ボールを進めた回数: 18 (90分当たり1.8)
これらの数字を見るに、攻撃面でタヴァレスは非常に将来有望なサイドバックだと言えるだろう。彼は相手の深い位置へのパス数が多いし、クロスも上手い。
ティアニーが同じく攻撃的なスタイルでプレイしていることを考えると、攻撃面で似たプレイが出来る選手が居るのはかなり大きいはずだ。
ポゼッション
xGビルドアップ(シュートに繋がったビルドアップに関わった場合のxGの値の合計値): 3.46 (90分当たり0.35)
プログレッシブパス成功数: 56 (90分当たり5.7)
90分あたりのパス企図数: 57.8
90分当あたりのパス成功数: 43.6
パス成功率: 76.1%
彼のパスの数字は基本的に左サイドバックに期待する通りのもの、という印象だ。パス成功率が高いとは言えないが、恐らく彼は難しいパスにもトライしようとする傾向にあるのだろう。
ドリブル企図数: 55 (90分あたり5.6 これは凄い数字だ)
ドリブル成功数: 25 (90分あたり2.6 これもまた凄い数字だ)
ボールロスト(相手に奪われた回数+コントロールミス): 45 (90分当たり4.6 ドリブルの多さのデメリットがこの数字に表れている)
プログレッシブキャリー: 68 (90分当たり6.9)
タヴァレスのボール保持時の数字の傾向は、サイドバックというよりウイングに非常に近い。これ二より攻撃への貢献が高くなっており、彼の最も大きな特徴だと言える。
守備面
タックル企図数: 28 (90分あたり2.9)
タックル成功数: 19 (90分あたり1.9)
インターセプト: 9 (90分あたり0.9)
パスブロック: 5 (90分あたり0.5)
クリア: 13 (90分あたり1.3)
ボール回収: 64 (90分あたり6.5)
空中戦勝利数: 15 (勝率48%)
ファウル: 24 (90分あたり2.4)
ドリブルの時と同じように、守備時においてもタヴァレスは非常に積極的な選手のようだ。攻撃面ではウイングのような数字を残していたが、彼の守備アクションマップは基本的にサイドバックのポジションから大きく外れてはいない。
まとめ
アーセナルのバートランド獲得が噂になった時、正直私は心配していた。バートランドが悪い選手だと思うからではなく、彼はティアニーの控えであることに満足してしまうような獲得になってしまうのではないかという懸念があったからだ。
これまでにアーセナルはこういったタイプの獲得が多すぎ、これによりクラブが前進したとは思えない。
そういった意味では、タヴァレス獲得がよりリスクのあるものなのは間違いない。才能は間違いないながら、ベンフィカがそこまで高額の移籍金を要求してこなかったこともそれを示している(部分的にはベンフィカの経営状況的に、素早く売却を決める必要があったからというのも理由だが)
その才能を開花させられない、あるいはティアニーがずっと良いプレイを続けて、タヴァレスがアーセナルのファーストチームに定着できないという可能性も大いにある。
だがどちらにせよ、アーセナルは今後チームを良くしてくれる可能性があり、かつ控えサイドバックの座に甘んじるのを良しとしない選手を獲得したのは違いない。
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