オーバメヤンは衰えてなどいない 後編
前編はこちら:
オーバメヤンはこれまでもいつだって、基本的にタッチ数は少ないが、ペナルティエリア内のスペースを見つける能力は世界トップクラス、という選手だった。
この点に関しては以前から変わっていないし、それが今季何か急に変わったわけではない。
スミス=ロウとウーデゴールがチームで台頭し、チャンスを作り出せるようになってからオーバメヤンの得点が増えたのは偶然ではないのだ。
それ以前の3か月間本気を出していなかったが突然本気を出すことにしたわけではない。アーセナルのチャンス創出数とオーバメヤンの得点数に相関関係があるのに疑いの余地はない。
そして、私はボックス内で点を決めるのを専門とするタイプの選手はしばしば誤解されがちだと思う。
例えば、より昔の時代、ギャリー・リネカーのようなストライカーはゴール前で美味しい場面だけを持っていく選手だと軽んじられたりもした。
オーバメヤンは7月に1-0で敗北したアストン・ヴィラ戦で26タッチしか記録できず、それはアーセナルが彼に全くボールを供給できなかったからだ。だがその10日後、FA杯決勝のチェルシー戦では2得点を挙げている。
この期間中にオーバメヤンは別に"本気を出す"ボタンのオンオフを切り替えたわけではない。単純に、後者でアーセナルがオーバメヤンに良い形を作り出せた、というだけのことだ。
思い起こしてみてほしいのだが、オーバメヤンが得点をしなかった試合で、アーセナルファンが『点は決められなかったが良いパフォーマンスだったな』と思う試合があっただろうか?
これはとても難しい。
オーバメヤンを中心にチームを作るという事は、彼以外の選手をうまく活用してチームにクリエイティビティを補う、ということなのだ。
何故なら、アーセナルがオーバメヤンに給与を支払うことで得られる対価は、ペナルティエリア内でスペースを見つけ出す素晴らしい能力なのだから。
ボックス内は相手チームが最も堅固に警備するエリアであり、そこで輝く選手というのは基本的にそれ以外の場面で試合から消えていなくてはならないのだ。
だからこそ、そういったタイプの選手には多くのチャンスが訪れる。
確かに今季、特にヨーロッパリーグでオーバメヤンはかなり多くのチャンスを外しているが、これは別に特段異常なことではない。
オーバメヤンはこれまで常に簡単なチャンスも外すタイプの選手だった。
とはいえ確かに最近はその頻度がかなり高く、ベンフィカとオリンピアコスでは何とか勝利を収められたが、トーナメントを勝ち上がっていくにしたがって、対戦相手はそこまで多くのチャンスを与えてはくれないだろう。
だがもちろん、ファンの選手の評価というのはすぐに代わるものだ。一試合一試合が選手の能力に対する国民投票のようなもので、調子の波というのはその場であまり考慮されない。
もちろん好不調には何かしら理由があるはずで、メンタル面や疲労といったものだろう。
結局のところ、オーバメヤンがスミス=ロウ、ウーデゴール、サカといった選手たちの創造性に助けられ、リーズ戦でハットトリックを決め手からまだ6週間しかたっていない。
日曜日のウエストハム戦でのオーバメヤンのパフォーマンスは残念なものだったが、サイドでのプレイだったし、私個人的には未だにここは彼の本来のポジションではないと思っている。
確かに得点力不足だった昨シーズンは追加でストライカーを一人起用する必要があったのは理解できるが、今となってはもうそれは必要ないだろう。
シンプルに言って、オーバメヤンはサイドでプレイするには技術が少し足りない。アーセナルはオーバメヤンをサイドで起用すると、得点と引き換えに失うクオリティが多すぎる。
もちろんだからといって、ノースロンドンダービーのような遅刻による欠場は許されるものではない。彼は過去に遅刻歴が何度もあり、これは懸念事項だ。
特に、オーバメヤンが創造力のある2列目の前で、中央でプレイして良い成績を収める流れが途絶えてしまっただけに残念だ。
今季は母国ガボンで母親が病に臥せった際にも同じようなことが起きた。オーバメヤンは数試合を欠場し、本調子を取り戻すためにはさらにもう何試合か必要だった。
そしてついに波に乗り始めたかと思ったら、スパーズ戦を欠場し、その流れは途絶えてしまったわけだ。こちらは防ぐことが出来るものだっただけに非常にもったいない。
ピッチ上での姿に関して言えば、私の目にはオーバメヤンはかつてとまったく変りないように見える。継続して良いエリアにボールを送り込めば彼は多くのチャンスに走り込み、そして、それを全ては決めないだろうが、そのうちのいくつかは得点にしてくれる。
人々が評価しているほどポストプレイが下手なわけではないと思うが、オーバメヤンのポストプレイを買って契約延長を行ったわけではないだろう。
ピッチ外での態度面の問題に関してアルテタが全く妥協するつもりがないのはオーバメヤン自身もわかっているはずだ。
性格面でオーバメヤンは比較的センシティブ(それをけなすつもりはない)で、幸せでない時に顔に現れてしまうタイプに見える。
オリンピアコス戦とウエストハム戦では彼は本来の姿に見えなかったといっていいだろう。
ようやくチームはそのチャンス創出に関する問題を解決しつつあり、オーバメヤンが笑顔を取り戻せるかどうかは後は彼自身次第だ。
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ディスカッション
コメント一覧
ティエリアンリはW杯までは好調維持、明けて0607ケガしてからピークを過ぎました
それまで子供扱いだったロナウドとフィフティで競って弾きとばされたのは切なかったです
結局シーズン10ゴール、流石はベンゲルスパっと移籍させました、もちろん色々な要因もありましたが
バルセロナで活躍したか知りませんが、主にサイドでテクニカルな素養とインテリジェンスでプレーできたのでしょう
それまではテュラム相手でフィジカル圧勝、マケレレなんてカラダ入れれば問題にもならない、ラウルブラボがファウルにいったのに弾きとばされてアンリがファウルとられる始末
ラウルは試合後宇宙人だと語りました
特に0304はエネルギーに満ち溢れていた
でも衰えは結構急にくるんすよ
アンリはコンディション維持の鬼と呼ばれてたんすけどね
原因がチームの不調だけとも言えない
フリーになるにもマーカー振り切るのに
オバの場合巧みさ以上に圧倒的に淀みない動きがありました
シュートに入る一連の動きもそうですスムーズでまったくムダがない
確かに見た目では衰えを感じませんが
徐々にギャップが出来なくなってる可能性もあります
対策もされてるのでしょう
継続性が途切れた原因のひとつに衰えはあるのかもしれない
それがカバーできるものかどうかですね