オーバメヤンの話
アーセナルのキャプテンは今季不調に陥っており、彼が調子を落とすというのは非常に珍しいことだ。彼はアーセナルに来て以来、安定した成績をずっと残し続けてきた。
私が思うに、オーバメヤンの安定した得点はアーセナルファンの間で過小評価されている。
彼はアーセン・ベンゲル時代の終盤、ウナイ・エメリの退任、暫定監督のユングベリ、そして、バラバラになったアーセナルを立て直そうとしていrうアルテタの時代、さらにコロナで世界までもが揺れる中、zとっ得点を重ねてきているのだ。
2017-18: プレミアリーグで13試合10得点(この年オーバメヤンはヨーロッパリーグに出場資格がなかった。アトレティコ戦のファーストレグでもし彼が出場できれば、、、と思わざるを得ない。
2018-19: 全コンペティションで31得点
2019-20: 全コンペティションで29得点。ここにはFA杯準決勝のシティ戦の2得点と決勝のチェルシー相手の2得点も含まれる。
この時期がアーセナルにとって非常に難しい期間なのは誰もが認める所だが、そのような状態で機能不全のチームでこのような数字を残せるたというのは彼の尋常ではない得点力の証明だ。
そして今季初めて、彼は苦戦している。プライベートの事情もあったし、軽いいくつかの怪我も絡み、特にシーズン前半チャンス創出に関して大きな問題を抱えていたチームの中で調子を落としてしまった。
別にオーバメヤンが山のようにチャンスを外していたというわけではない。もちろんこれは彼以外のFWにも言えることではあるが、単純にアーセナルはFWにチャンスを作り出せていない時期が長かったのだ。
これと彼の契約延長が重なったこともあり『もう大金を手にしたのでモチベーションが下がったのだ』『今後チームのためにプレイできない選手に大金を払った』などと、この2つを結び付ける者も現れ始めた。
巨額の契約延長を行った選手が満足に稼働できない、というのはごく最近アーセナルであったケースでもあり、これがアーセナルファンのトラウマとなっているのだろう。このような結論を出したくなるのは理解できなくはない。
だが私が思うに3年間ずっと一貫して結果を残してきた選手が、ほんの少し不調だっただけでもう駄目だと評価を下されてしまうのは少々アンフェアだ。
もちろん人々がシニカルになるのは理解できなくはないが、私はそちら派の人間ではない。
だからこそ、ベンフィカ戦のオーバメヤンのパフォーマンスを見て、もちろんチャンスを外したのは弁護できないが、むしろがっかりするよりもポジティブだと思った。
リーズとベンフィカ戦を見るに、これからチームはオーバメヤンに多くのチャンスを作り出す方向性で進んでいくのだろう。
もちろん木曜日のように彼がそれを決めきることが出来ない日もあるが、もしアーセナルがずっと彼を危険なポジションに送り込み続けることが出来れば、いずれ彼は結果を残してくれるはずだ。
リーズ相手に4,5点決めていてもおかしくなかったし、ベンフィカ戦では少なくとも一点は決められたはずだし、調子が良ければもっと決めていたことだろう。
そして、チーム全体のパフォーマンスという意味で見れば、実得点よりも創り出すチャンスは重要な指標だ。過去の実績を考えれば、これらのチャンスを決める役として、オーバメヤン以上の適役はいない。
今日の試合、シティ戦ではまたタイプが異なるプランを用意しなければならないはずで、アルテタは少しシステムをいじるかもしれない。アーセナルが相手を圧倒する展開は期待できないだろう。
だが今後ベンフィカ戦やリーズ戦のような展開で試合を行うのであれば、私がその最前線にいてほしいと思う選手はオーバメヤン以外にいない。
ラカゼットを否定するわけではないが、彼はまたタイプが違う。彼は後ろに下がることを好むし、走り込みがオーバメヤンほどダイナミックではなく、彼ほど多くのチャンスに走りこむことを北はできない。
もし今のスタイルのような試合を行うのであれば、マルティネッリがラカゼットを追い越してセカンドチョイスになるべきであるという事すらできるかもしれない。
ボックス内の動きとシャープさという意味では彼の方がオーバメヤンに近いものがあるからだ。これを鑑みると、ベンフィカ戦でベンチから登場したのがラカゼットではなくマルティネッリだったのは非常に興味深い。
まとめると、オーバメヤンの今までの実績を考えると今季ががっかりするものであるのは事実だが、それには契約延長以外の要因が絡んでいると私は思う。
彼が本気でプレイをしていないようには見えないし、今後も彼にチャンスを与え続ければ今季末までには多くの得点を決めてくれているだろうという自信が私にはある。
また、2月の時点でチーム内得点王が11点しか決められていないというのは彼個人というよりも、チームについて遥かに多くのことを示唆していると思う(2番のラカゼットは10点だ)。
もちろん最近のアーセナルはこのチームが抱えた問題についてある程度対処しつつあるので、それに伴って選手個人の数字も上がっていくに違いない。
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