ホールディングとの契約延長は低リスクの賢明な決断である
先日、アーセナルがロブ・ホールディングと契約延長することで合意したと発表した。興味深いことに、私が覚えている限りでは、具体的に発表に何年契約か示されていたのは初めてのことであるように思う。普段は単に"長期契約"と書いてあるだけで、もちろんこれはメディアを通して報じられることが多いが、公式発表には掲載されていることは基本的になかったはずだ。
今回の契約は2024年までで、これは良い決断と言えると私としては思う。以下がその理由だ。
他のCB達の放出
この夏、アーセナルのベテランCB達、ムスタフィルイス、ソクラティスは皆契約満了を迎える。ケガ後のチェンバースの能力は懸念されているし、ホールディングが契約延長ということは彼の移籍を意味するんかもしれない。
マヴロパノスもまた怪我が多く、彼がファーストチームに帰ってくる可能性が高いとは思えない。
したがって夏にはアーセナルが抱えるCBは4人になる可能性があり、そうなると、左利きのCBがマリとガブリエルの二人、そして右利きのCBは(もちろん彼に関してはどうなるかわからないが)サリバとホールディングしかいない、ということになる。
夏の移籍の優先順位
アーセナルのスカッド作りを考えたときに、内部の人材でどうにかなるポジションと、選手獲得を行うべきポジションを考える必要がある。
例えば中盤に関しては、セバージョスは99%スペインに戻るはずだし、エルネニーは売却を考えるべきだ。ウィロックは成長のためにはローンが望ましい。
彼らを除くと、アーセナルの中盤はパーティとジャカしか残らず、そのジャカですら将来は不透明だ。
したがって、アーセナルは夏に中盤の再建に乗り出す必要があり、ホールディングを確保しておくことで、そちらに割けるリソースが増えるだろう。
残り二年の岐路+イギリスのEU離脱
この夏にホールディングの残り契約は2年となるはずだった。本来これはクラブとして選手を売却するか契約延長するか将来を考えなくてはいけない時期だ。
そして、ホールディングに関して素早く決断を下したのは良いことだろう。選手の市場価値を保つことに気を取られすぎるのもどうかとは思うが、アーセナルが今再売却から移籍金の回収が全く見込めない選手に湯水のように資金を費やすのを見れば、こういったことに注意を支払うのも当然だろう。
ホールディングはまだ25歳で、これからキャリアのピークを迎える年齢だ。
英国のEU離脱後の市場では、彼がイングランド人であることは非常に重要で、彼の市場価値を高く保つだろう。
悲劇的な大けがなどがない限り、この契約中にホールディングの市場価値が大きく下落するとは考えづらい。我々は彼の獲得時に2m£しかし払っておらず、どこかのタイミングでホールディングを売却することになれば、その利益は再びチーム作りに用いることが出来る。
悪くないプレイを見せている
もちろん"ホールディングはタイトル争いが出来るレベルのCBではない"という意見には一理ある。
だが、今のアーセナルはそのような立場からは遠すぎ、それが事実だとしても特に意味があるとは思えない。まず、そこにたどり着く土台となるチーム作りを行うことが必要で、そこにホールディングの居場所はあるはずだ。
今季のベストCBはガブリエルという事でファンの意見は一致すると思うが(彼が新加入だからということもあるはずだが)、スタッツ的にホールディングは彼に劣っていない。
タックル数やクリア数では勝っているし、最近はパス面でも改善が見られると思う。
ガブリエルと同じく今季ホールディングは失点につながるミス数は0だし、今季のアーセナルの不調は一人のDFの生というより、チーム全体のもの、しいて言うのであれば攻撃面でチャンスを作れないことによるものだ。
また、私が思うに今の時代に人々は存在しない完ぺきさを求める傾向にある。
昔のアーセナルの最高のDF達を思い出してほしい。彼らはレジェンドと称えられるが、ふがいないパフォーマンスを見せたこともあったし、ミスもした。
我々が愛するフェイマス4は何度か中位でリーグを終えたこともある。もちろんだからと言ってホールディングが彼らと同じレベルにたどり着くだろうと言いたいわけではないが、チームの成績と個人のプレイは離して考えることが出来るはずだ。
何度も言うが彼はまだ25才であり、今回の契約延長は賢い投資だ。まだまだホールディングには成長の余地もある。
彼は無条件にポジションを与えられたわけではないし、チーム最高額の給与を与えられたわけでもない。アーセナルのプランは彼を誰かと競争させるだろう。それはもしかするとサリバかもしれない。この競争が二人のポテンシャルを引き出してくれることを願おう。
ミケル・アルテタは
私が監督として始めた時から、ロブのクラブへの貢献、そしてロッカールームでの影響力に感銘を受けてきた。練習場でのクオリティは素晴らしいし、これがコンスタントなパフォーマンスに繋がっている
とコメントしている。
彼がハードワークを行うプロフェッショナルな選手であることは間違いなく、ここまでのアーセナルの他の何人かの選手たちの振る舞いを考えると、こういった選手こそアーセナルのロッカールームにまさにふさわしい。
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