ガブリエル・マルティネッリがアーセナルファンに期待を抱かせる理由
ガブリエル・マルティネッリの怪我からの復帰が一日一日近づきつつある。日がたつごとに彼の帰還を待ちわびるアーセナルファンの期待は高まる。
中立な目線から見ると、まだ10代でファーストチームで26試合しか出場がない選手にここまでの期待を寄せるのは少しばかげているようにすら見えるが、なぜマルティネッリがここまで信頼を寄せられ期待を集めるのか、今回は見ていこう。
天性の得点力
一応マルティネッリの本職は左ウイングということになっているが、彼には中央でプレーできる素質も十分すぎるほどにある。
攻撃時のポジショニング、ヘディング、シュート精度。生まれつきのストライカーのような能力を備えているのだ。
アーセナルの初先発となった試合でそれは予感させていた。素早い走り込みからノッティンガムフォレストDF2人の間を突いてチェンバースのクロスに合わせたシーンは既にアーセナルファンに彼は何か特別なものを持っているかもしれないと思わせた。
この試合の二点目でそれはさらに強まった。敵陣でボールを拾うと、ターンから相手を交わしてシュートまで持ち込み、ディフレクションを経て得点を挙げて見せたのだ。
この2点でファンの期待は大いに高まったが、これは序章に過ぎなかった。
この後彼は12試合しか先発していないながら10ゴールと4アシストを記録。ここにはアンフィールドでの2ゴールと、チェルシー相手の独力でのゴールも含まれている。
コロナ禍と怪我の影響でこれ以上のものを積み重ねることはできなかったが、彼の才能と将来性を示すのには十分なデビューシーズンだった。
メンタリティと粘り強さ
マルティネッリはブラジルから来たばかりで、当初U-23に加わるものと見られていたが、いつの間にかファーストチームの欠かせない一因となっていた。それは、彼の意志の強さのたまものだ。
その気持ちの強さはチェルシー戦のゴールに表れており、アーセナルは押され気味で、PKを献上し、レッドカードをもらってしまった。だが63分ボールを拾ったマルティネッリは走り続け、その60ヤード後にボールはネットの中に沈んでいた。
同じような強い意志をもって、彼は無尽蔵のようにも見えるエネルギーをもって相手にプレスをかけに奔走する。プレスとボール奪取数は同世代のヨーロッパのFWと比べて明らかに抜きんでている。
彼は、世界のトップに上り詰めるまでその走りを止めるつもりはないと固く心に誓っているタイプの選手に見える。
アーセナルに加わってそれほど立たないうちに彼の野望は『チャンピオンズリーグを優勝し、アーセナルでレジェンドになることだ』と語っていたが、このような高い志と、それを実現させるという意志の強さも、ファンが彼に期待を抱く要因の一つだ。
インパクト
将来性あふれる選手ではあるが、マルティネッリの復帰が近づくにつれて、今のアーセナルファンの関心は『彼は現在のチームを即座に良くしてくれるだろうか?』だろう。
マルティネッリは今のアーセナルのチームにはいない、"インパクトをもたらせる"選手だ。チェルシー戦や、ウエストハム戦-この時アーセナルは8戦勝ちなしだったが、マルティネッリが同点弾を決め、結果として勝利し繋がった-で見せた通り、彼は自分の力で試合を変えようとする選手なのだ。
何もないところから、自分の力で試合の流れを自チームに傾けることが出来るポテンシャルを持っている。
怪我から復帰したマルティネッリがベストな状態に戻るにどれくらいかかるかは慎重に見極める必要があるが、一つだけわかっていることがある。
マルティネッリは本物だ。
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