ボールを前に進められないエルネニー
リバプール戦でエルネニーが先発に起用されたのは、少し奇妙に映った。
もちろん彼は悪い部分ばかりだというわけではないが、かといって彼は素晴らしい素質を多く備えている、というわけでもない。
今朝Wyscoutで再び試合を見返してみたが、その印象は変わらなかった。Wyscoutには各選手ごとのBest Action(ハイライト)を見られる機能があるのだが、エルネニーのものを見ようとしたところ、『ありません』と表示された。
彼の守備面での貢献は悪くなかったが、エルネニーはボールを持った際に全くと言っていいほど前に進めることが出来なかった。
これはチームメイトがそもそもエルネニーが前にパスを出すだろうと思っておらず、わざわざそのために動こうという気がないのも影響しているはずだ。
そのためエルネニーはパスを前に出せず、そしてそれを見たチームメイトは、、、と続いていくことになる。
27分のシーンがその良い例で、中盤の中央でワイナルドゥムのパスを良い読みからエルネニーはカットすることに成功する。
これにより、アーセナルはまだ整っていないリバプール相手に攻撃するチャンスを得るわけだ。このようにクリーンなインターセプトが行われることはあまり頻繁には起こらず、このような場面は非常に危険なカウンターのチャンスにつながる。
そして、その後の展開を見てもらえばわかる通り、ここからアーセナルは相手のスペースを突いた5対5の場面を作り出せる可能性があった。
しかし、ラカゼット以外の選手はこの場面でこの攻撃を支援するような走り出しを見せる兆しが全くない。
下の画像はそこからさらに時間を進めたものだが、ウィリアンはサポートに動き出す気配がないし、オーバメヤンはまだ歩いている。ティアニーも走るのをやめ、中に入ろうとしている。
その後エルネニーはこのような状況ではラカゼットにボールを預けても仕方がないと判断し、とりあえずドリブルで運ぶことを決断する。
その後ボールはベジェリンにわたるが、ベジェリンからラカゼットへのパスはオフサイドになってしまった。
したがって、これはエルネニーだけが悪いわけではなく、サポートがあまりないことも原因だが、このような場面で基本的にエルネニーが前のラカゼットへとパスを入れる選択をしないことがほとんどであるというのも事実だ。
単純に彼のスタイルの問題で、エルネニーは失敗するかもしれないが見返りが多いパスよりも、成功すると確信を持てるパスを常に選択する。
それは、リバプール戦でのエルネニーのパスマップにも如実に表れている。
エルネニーのパス成功率は非常に高かった。だが、パスの難易度的に94%というのは大体期待値通りの数字だ。(訳注: この記事を執筆したスコットさんはボールロスト期待値やパス成功率期待値など独自の指標を色々算出している)
彼は難易度の高いパスには挑戦せず、成功が期待されるパスを出すことが多かった。そして、エルネニーはこの試合で一本もプログレッシブパス( ペナルティエリアへのパス+過去6本のパスの一番相手ゴールに近い地点から計算して10ヤード以上ボールを前に進めることに成功したパス)を記録しなかった。
相手に大部分の時間ボールを保持され、カウンターを主体に攻撃する必要があった試合で、エルネニーの安全志向のパススタイルは相性が良かったとは言えない。
もちろんエルネニーの守備力が必要だったのは理解できるが、個人的には、この二つを天秤にかけた際にこの試合ではポジティブよりもネガティブな点の方が多かったと感じる。
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ディスカッション
コメント一覧
アーセナルでボールをもっとも前に進められるのはエルネニー(パスの質がばくち的でなく、それでも前)。本人もそれを自覚してプレイしてたが、相手が上手だった。
度々すみません。以前のムスタフィに関する言質もそうですが、ある種の差別感情を感じます。データを使いもっともらしくいってますが、望遠鏡を使い、ち密な計算のもと天動説が正しいと、証明しようとしたカソリックの天文学者を連想します。
残念ながらこのサイトは記事を書くサイトではなく翻訳したものを載せるサイトなのでもっともらしく言っているとしたらそれはSCOTT WILLISさんです。
また、アーセナルやアーセナルの選手の欠点などを突いた記事を翻訳することも多く今回たまたまエルネニーの記事だっただけですよ。
悪意を持って人を見ればどんなことをしていようと悪く見えてしまうものです。