アーセナルはヘクター・ベジェリンを売却すべきなのか
ショッキングなニュース
最近、複数クラブがアーセナルのヘクター・ベジェリンに興味を持っているというショッキングなニュースが報じられた。
ベジェリンはアーセナルでは最近ほとんど絶対的なスタメンといってもよく、ようやくケガから復帰しつつあるように見えたからだ。
まず最初にガーディアンがPSGがベジェリンに興味を持っていると報じたが、他にも興味を持つクラブはあるようだ。
だが、最初のショックを乗り越えてみると、ベジェリンの売却というのは意外とアーセナルにとって論理的な選択かもしれない。
まず第一に、アーセナルのスカッドは埋めなくてはならない穴があり、大金を費やして中盤を補強する必要がある。
第二に、もうアーセナルに金銭的な余裕はなく、大型補強を行うためには誰かしら売却する必要がある。アーセナルは2年続けて赤字を出しており、かつヨーロッパでもマッチデー収入への依存率が高いクラブの一つだ。つまり、他クラブよりも無観客試合の影響がより大きいということになる。
ファンとしてはお気に入りの選手たちに移籍の噂が出るのは心痛いことではあるが、今のアーセナルを見るに、不要な選手や年齢のいった選手の売却だけで補強資金が捻出できるとは思えない。放出の第一候補ではない選手たちに関しても難しい決断を下す必要があるだろう。
ベジェリンのパフォーマンスの変遷と怪我の影響
怪我の前、2017~2019年にかけてのベジェリンは非常に良いサイドバックった。特に目立ったのは、彼のパスの上手さだが、守備面でも全く問題はなかった。
だが、けが以降彼はかつての最初の10mの爆発的なスピードは帰ってきていない。コロナによるシーズン中断後のベジェリンには、彼がかつての姿に戻りつつあるのではないかと感じさせるいくつかの兆候があった。
もちろんそれも当然といえば当然で、ACLの怪我をした選手は8-12か月程度でピッチには戻れるが、完治するには1年半ほどかかることもある。
したがって、アーセナルにとって、あるいはベジェリンを狙うクラブにとっての問題は、彼がかつての姿に戻れるのか、だろう。
私にはこの答えは分からない。練習時などのデータを通して、クラブはより詳細な情報を持っているはずで、彼らの方が正確な決断を下せるだろう。
メイトランド=ナイルズにベジェリンの代役が務まるか
そして、アーセナルがベジェリンの売却の是非を考えるにあたってもう一つ考えないといけないのが、メイトランド=ナイルズの問題だ。
個人的には、彼が色々なポジションでプレイでき、選手層に厚みをもたらすということはチームにとって有用だが、右サイドバックとしてのポテンシャルという意味ではかつてのベジェリンほどではないように思う。
昨季のベジェリンとナイルズを比較すると、ナイルズの方が優れていたように思うが、将来どちらがより優れた右サイドバックになるかは、またしても、ベジェリンの怪我からの回復がどれくらい可能か次第といえる。
だが、中断再開後のパフォーマンスと、PSGがベジェリンに興味を示しているということを考えると(PSGはオイルマネーを選手獲得に使うかもしれないが、それでも彼らのチーム作りが非常にスマートなのは間違いない)最終的にベジェリンはかつての姿に戻れるのではないかという気がする。
一方で、メイトランド=ナイルズと同じ23歳の時のベジェリンとの比較はなかなか興味深い。
また、スマータースカウトによる比較はこちら・
一見この二人の成績は似ているように見えるが、よく見ると、同年齢時の比較では、攻撃面においてベジェリンの方が圧倒的に優れていることがわかる。ナイルズの方が守備力は一歩勝っているが、攻撃面での差を埋め合わせるほどとは言えない。
結論
もし私がアーセナルの移籍戦略の担当者であれば、ベジェリンの売却を真剣に検討するだろう。アーセナルのチーム再建においてアンタッチャブルな選手は誰もいないはずだ。
とはいえ、選手を安売りするべきではなく、35m£といわれるクラブのベジェリンの評価額を得られるように力を尽くさなくてはならない。
そして、アーセナルが売却から得た資金の再投資を非常に賢く行う必要がある。来季のチームをよくするだけではなく、今後数年間を見据えた補強が必要だ。
個人的にはトーマス・パーティ獲得の資金をねん出するためにベジェリンを売却するのであれば反対だが、例えばアワールのように将来性のある選手の獲得のために必要なのであれば、それは致し方なし、といったところだろうか。
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ディスカッション
コメント一覧
お疲れ様です。
ある意味、シーズン中以上に一喜一憂する時期ですね。
カンテラ出身とはいえ、シニアチームの中では一番古いベジェリンには、全員が深い思い入れを持っていると思います。
残念ながら、現在ある程度の資金をアーセナルにもたらす事の出来る数少ない選手というのは理解出来ます。
が、ウィルシャー・ラムジー・ヴォイチェフ・チェンバレン・ニャブリ・セオらが去った中、彼まで・・・
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