【プレミアリーグの真の最強を探す旅】UPC(プレミアリーグ非公式王者)で振り返るプレミアリーグ
事の発端は、軽妙かつユーモアの利いた語り口と、面白い記事のためなら労力を惜しまないことでおなじみtkqさんのこの記事でした。
ざっくりいうと、タイマンを制したものこそが最強、の精神で、Jリーグ初年度の王者である川崎をチャンピオンと認定し、その後はチャンピオンに勝利したチームがチャンピオンの座を引き継ぐ、ただし、引き分けの場合は現チャンピオン側の防衛とする、というルールで現在までたどっていったらどうなるのか、という調査です。
ボクシングや将棋のタイトルをイメージすればわかりやすいかもしれません。もともとは、ナショナルチームの試合でこれのカウントを始めた人がいたらしく、Unofficial Football World Championship(非公式世界サッカー王者、今はオランダ代表が保持)と呼ばれているそうです。
結果がどうだったのかは元の記事を見てもらうとして、非常に面白かったのですが、問題(?)はこの記事の結びです。
どうせ自粛で暇してるのだから「プレミア・リーグ非公式王者」とかやってもいいんじゃないですかね、誰かやってくれませんかな。ねー、やってくんないかなー、プレミアファンで暇してる大学生とかさー、ねー、やってくれよー。
とあります。
大学生ではないのですが、これを読んで、アーセナル界隈随一の暇人を自負している僕がこのバトンを受け取らなければ誰が受け取るのだ!と無駄な炎がメラメラと燃えてきてしまったのでやってみました。
ルールは本家準拠、ただtkqさんにならってカップ戦は除いて、プレミアリーグの試合でのみタイトルのやり取りが発生するとします。
とんでもない長さになってしまいましたが、では見ていきましょう!最後のまとめにちょっと前に流行った動く棒グラフもあるよ!
90年代
1992/93
記念すべきプレミアリーグ移行後の初優勝はマンチェスター・ユナイテッドでした。というわけで、今回の企画の全てはユナイテッドから始まることになります。この年のPFA(選手選出)ベストイレブンには元祖シュマイケルや、ユナイテッドに移籍することになるロイ・キーンらが名を連ねています。アーセナルからも今やただのハイテンション面白おじさんとしてのイメージが強いイアン・ライトが選ばれています。
1993/94
・初代王者: ユナイテッド
・最多獲得: アーセナル 11
各年度の最多非公式王者獲得チームをピンク、初登場チームを緑でハイライトしてあります。ちなみに、表の数字は節数に対応しているわけでは無くて、各チームの消化試合数にずれがある状態で防衛戦が行われた場合試合数もずれるので、年によって微妙に1試合ずつ増減したりしています。
ベンゲル監督が就任するより遥か前ですが、流石昔は強かったアーセナル、圧巻の10連続防衛を成し遂げこの年のチャンピオンに輝きます。
このころは22チーム制なので今より試合が多いですね。
手元にあるデータは3部までしかないんですが、コベントリー、ウィンブルドンなど、3部以内に収まらなさそうなチームが何チームか登場しているのが気になります。というかそもそも、ウィンブルドンなんて今クラブとして存続していません。
この先万が一非公式王者の称号を保持したままた財政破綻したクラブが現れたりなんてした日には企画倒れになるのではないかとちょっとひやひやします。
1994/95
・最多獲得: ノッティンガムフォレスト 13
90年代はマンチェスター・ユナイテッドが圧倒的な強さを誇っており、8年度中6年はマンチェスター・ユナイテッドが優勝というすさまじい成績なのですが、今年は珍しく優勝をブラックバーンに譲っています。
・・・見間違えではありませんよ、ブラックバーンです。笑
プレミアリーグ開幕後10年以上ユナイテッドの黄金時代が続くのですが、ブラックバーンが最強ユナイテッドを止めることができたたった2チームのうちの一角なのです。
今は解説者としておなじみ、アラン・シアラーとクリス・サットンのコンビがブラックバーンで大活躍していますね。シアラーに至っては、この年から2年連続で30点以上得点、3年連続で得点王を獲得しています。また、監督としてのイメージが強いティム・シャーウッドもこの年のブラックバーンにいます。
ただ、非公式プレミアリーグ王者の世界で出色の躍進を見せたのはノッティンガム・フォレストで、合計13度保持で、シーズン終盤は無敗で終えました。このころのノッティンガムフォレストがどのようなチームなのか全く知らないので誰か知っていたら教えてください。
1995/96
・最多獲得: ノッティンガム・フォレスト 12 (2度目)
なんと、昨シーズンの勢いそのまま95/96シーズンを防衛で始めたノッティンガムフォレストがそのまま怒涛の12連続防衛、この年も最多防衛を獲得です。シーズンをまたいで23連続防衛を決めたことになります。この記録を破るチームは現れるのでしょうか。
ただ、非公式プレミアリーグ王者上では圧倒的な強さを見せるノッティンガムフォレストもこの年のプレミアリーグ9位と優勝にかすりもしていません。ですが、スティーブ・ストーンというフォレストの選手がベストイレブン入りを果たしています。
この年も優勝はマンチェスター・ユナイテッドです。ちなみに、この年からチーム数が削減され今と同じ20チーム制になりました。
本筋とは関係ありませんが、今回の企画を書きながら一応リーグがどんな感じなのかチェックするために、その年のPFA選出のベストイレブンもちょこちょこ見てるのですが、この年の英4部のベストイレブンにウィガン所属のロベルト・マルティネス(現ベルギー代表監督)が選ばれています。そんなところにいたんですね。
1996/97
・最多獲得: ミドルズブラ&ダービー 6
この年も本家のリーグ優勝はユナイテッドなのですが、非公式の世界には全く現れることがなく、この二つはあくまで似て非なるものなのだと思い知らされます。
その一方で、1チームの最多防衛回数は6でとどまり、かつここまでで最多となるエヴァートン、アストンヴィラ、レスター、ダービー、ミドルズブラ、コベントリー、ブラックバーン、トッテナム、チェルシー、サンダーランド、サウサンプトンの12チームでチャンピオンを分け合う激動の一年となっています。
なんとなく、どこもアウェイならアーセナルがカウンターくらって負けていそうなチームです。
時代的にはデイビッド・ベッカムがスターダムにのし上がり始めたころですね。
1997/98
・最多獲得: ユナイテッド&アーセナル 7(2度目)
上で似て非なるもの、と書きましたが、この年は非常に珍しく、実際のプレミアリーグの力関係が反映された年となりました。
アーセナルが、90年代のユナイテッドを破って優勝を成し遂げたブラックバーンに続く2チーム目になった年なのですが、非公式王者もお互い一歩も譲らず7防衛ずつで最多防衛を分け合っています。
地味にユナイテッドが最多防衛を獲得するのはこれが初めてですね。リーグ優勝こそアーセナルに譲ったものの、この年のベストイレブンはベッカム、ネビル、ギグスとユナイテッドの顔ぶれが多いです。
アーセナルからはいきなりすさまじいインパクトを残したベルカンプのみが選出です。この年はマイケル・オーウェンが得点王を獲得しているのですが、そろそろこの辺りからベストイレブンに知っている選手が増え始めました。
まだ数年しかたっていませんが初めて非公式王者になったチームはボルトンのみと、そろそろ顔ぶれが固定されてきています。
そういえば、宮市亮選手がレンタルで所属していた時にボルトンのホームで試合を見たことがあるのですが、周りに本当に何もないです。
1998/99
・最多獲得: アーセナル 14(3度目)
この年はアーセナルが惜しくも勝ち点1差でマンチェスターユナイテッドに敗れ優勝を逃しましたが、非公式王者の世界ではその強さは圧倒的です。なんと、6年間で3度目の最多防衛を獲得。圧巻の14連続防衛です。流石ベンゲル監督。
そして、王座の殿堂に新たにリーズが加わりました。ダービーやアストン・ヴィラといったベテランたちもなかなかの活躍を見せています。
PFAベストイレブンはスタム、アーウィン、ヨーク、ベッカム、アネルカ、ヴィエラ、プティと、アーセナルとユナイテッドの選手で半分以上を占めており、この辺りからユナイテッド一強の時代が終わって二強時代突入といえるでしょうか。
1999/2000
・最多獲得: ユナイテッド 7(2度目)
記念すべき世紀をまたぐ99/00シーズンは90年代文句なしの最強チーム、マンチェスターユナイテッドがその貫録を見せました。アーセナルを一度も登場させませんでしたね。現実世界(と書くと非公式プレミアリーグ王者は現実じゃないみたいですが笑)でも20近く勝ち点差をつけています。
この年はリーズが大躍進して3位に入り、PFAベストイレブンにも多くの選手を送り込んでいます。
そういえば、あとから気づいたのですが、この表のBフォードはジャイアントキリングでおなじみ、ブラッドフォードです。この町には世界的に有名な平和学研究の拠点として知られるブラッドフォード大学があります。のちにブレントフォードも登場しますが、こちらはブレントFと表記しています。
また、最終節でレスターを破って懐かしのシェフィールド・ウェンズデイがちょこっと久々に顔を出しているのが笑えます。
・・・と思ったのですが笑い事ではありませんでした。なんとこのシーズン、シェフィールドウェンズデイは2部降格です。非公式プレミアリーグ王者の座がなんとチャンピオンシップでやり取りされるという非常事態となってしまいました。ちゃんとプレミアに帰ってこられるでしょうか・・・
2000年代
2000/01
・最多獲得: ハダスフィールド 10
記念すべき2000年代の一発目ですが、チャンピオンシップからという幸先の悪いスタートです。
ただ、怪我の功名というか、大分煮詰まってきた感のあったUPCですが、二部降格のおかげで、新キャラが大勢登場です。
ウルブズがようやく初獲得というのは少し意外でしたね。そしてワトフォードとウィンブルドン、ハダスフィールドの三つ巴の争いとなっています。
ただ、ワトフォードもウィンブルドンも8位9位で優勝争いにかすりもしていません。しかも、ハダスフィールドに至っては降格しています。危うく三部のデータを見に行かなければならくなるところでした。
プレミア昇格歴がないようなクラブがちょこちょこいるのも二部の面白いところで、ギリンガムなんて聞いたことない!と思ったら1893年創立の古豪でした。今は三部にいるようです。
ベストイレブンも見てみましたが、フラムにルイ・サハがいる以外正直知っている選手が一人もいません。笑
ですが、この年はサハ率いるフラムが優勝したようです。
2001/02
最多獲得: コベントリー 11
なんと!!この年バーミンガム・シティが非公式プレミアリーグ王者の称号を保持したままプレーオフを制してプレミアリーグ昇格を達成!!5年くらいは2部生活を覚悟していましたが、意外と早くプレミアに帰れました。
やはり、腐っても非公式とはいえプレミアリーグ王者、プレミアに帰ってなんぼです。意外とチームの実力と関係なくはないようです。
ちなみに表でハイライトを忘れていますがミルウォールはここで初登場ですね。グリムズビーがそこどこ!?チーム枠です。調べたら、リンカンシャーに位置しており、シェフィールドの東、ハルの近くでした。
リンカンシャー州都リンカンですら何もないので、恐らく非常に小さな町のはずです。人口8万人ということで、僕の故郷である、愛知県の名古屋のおまけみたいな市と大体同じくらいの人口ですね。そんな街に二部とはいえサッカーチームがあって普通に強いのが凄いです(と思ったら今は4部まで下りてきていました)。
この年はティエリ・アンリが得点王を獲得、アーセナルがリーグ優勝を果たしているのですが非公式プレミアリーグ王者には何の関係もありません。ちなみに、こちらも登場しませんでしたがこの年2部にいたマンチェスターシティが優勝に輝いてプレミア復帰を果たしています。
2002/03
最多獲得: アーセナル 11(4度目)
ファン・ニステルローイが得点王をアンリから奪還したのと並んでユナイテッドもアーセナルからタイトルを奪還。ただし、非公式の世界では圧倒的な強さを見せたのはアーセナルで、またしても最多防衛です。
もちろん現実世界でも強かったんですが、非公式プレミアリーグ王者の世界ではアーセナルが今のところ完全に最強です。現代にたどり着くまでにまだあと20年弱ありますが、今もまだ強いのか興味がわいてきました。
この年のアーセナルは優勝していないのにベストイレブンにソル・キャンベル、コール、ピレス、アンリ、ヴィエラと5人も選ばれています。また、復活のアラン・シアラーやブラッド・フリーデルといった懐かしい名前も並んでいます。ユナイテッドからはスコールズのみでした。
実はこの年戸田和幸選手がトッテナムに所属しているのですが、初出場がシーズン終盤だったので、そのころには残念ながらトッテナムは非公式王者のタイトルを失っていました。
また、この年初めて新たなチャンピオンがゼロチームとなりました。チャンピオンシップ年度との落差が凄いです。
2003/04
・最多獲得: フラム 8
白状すると、この年はアーセナルが無敗優勝をしているのでどっかでアーセナルが非公式プレミアリーグ王者も奪取して、あとは全部アーセナル、という(集計的に)楽勝展開を期待していました。
しかし世の中そんなに甘くはありません。18戦目のボルトンの対戦相手がアーセナルなのですが、引き分けに終わり、引き分けはチャンピオンの防衛扱いというルールなのでアーセナルに非公式プレミアリーグ王者のタイトルが移ることはなく、なんとアーセナルは一回も登場しませんでした。
アーセナルが歴史的な優勝を成し遂げたのとは対照的に、UPCは群雄割拠状態で、ニューカッスルとのし烈な争いを制して、今季彗星のように現れたフラムがいきなり最多防衛を獲得です。
この年フラムでプレイしていた稲本潤一選手が非公式プレミアリーグ王者に輝いた史上初の日本人となったのではないでしょうか。
あくまで体感ですが、実際の成績と比べて非公式プレミアリーグ王者の世界線ではエヴァートンとニューカッスルがやたら強いような気がします。
ちなみに、アーセナルの栄華の裏側で、そろそろジェラードやランパード、キャリック、テリーといった少し前まで現役だった選手たちが台頭してきています。
というか、フィル・ジャギエルカに至っては未だに現役です。このころすでにシェフィールドユナイテッドで2部のベストイレブンに選出されています。この後将来的にシェフィールドがプレミアに昇格し、キャリアの最後に戻ってプレイするというのは物凄い胸熱展開ですね。
2004/05
最多獲得: ユナイテッド 8(3度目)
この年は、モウリーニョがプレミアリーグに旋風を巻き起こし、昨年の絶対王者アーセナルを倒してプレミアリーグとなってから初、チェルシーが50年ぶりのリーグ優勝を果たした年なのですが、非公式プレミアリーグ王者界ではそんなのはどこ吹く風で、ユナイテッドが最多防衛を果たします。
チャールトンとノリッチという新顔が二人も登場する少し珍しい年でもありました。チェフ、テリーやロッベン、アンリ、ギャリー・ネビル、ランパードらと並んで8位のシティからショーンライト・フィリップスがベストイレブンに食い込んできているのがちょっと笑えます。
というかここでまだ折り返し地点くらいです。この記事、無茶苦茶な長さになってしまいそうですが読んでもらえるんでしょうか。
余談ですが、この辺りから、風呂、歯磨き、非公式プレミアリーグ王者、という感じで寝る前に一時間くらい集計してエクセルに起こす、という謎のルーティンを一週間くらい行っていました。
2005/06
最多獲得: ユナイテッド 15(4度目)
現実世界ではチェルシーが快進撃を継続、衝撃の2連覇を果たし、プレミアリーグの勢力図が塗り替えられたことを世界に宣言するシーズンとなりましたが、相変わらず非公式プレミアリーグ王者界にはなぜかチェルシーはほとんど顔を出してきません。
35試合目でついにユナイテッドから奪い取ったと思ったら1試合でサクッとブラックバーンに奪い取られています。笑
マンチェスター・ユナイテッドはアーセナルに並ぶ4度目の最多防衛チーム獲得となりました。また、ユナイテッドには及びませんでしたが、この年はボルトンがめちゃくちゃ強いですね。リーグ戦でも8位と大健闘しています。時期的に、恐らく中田英寿選手が稲本に続いて日本人二人目の非公式王者に輝いていると思います。
ユナイテッドが一度目の黄金時代を終えてから、またルーニーやロナウドといった新進気鋭の若手を揃えて2位でチェルシーを追撃した一方で、アーセナルはこのシーズン4位に終わり、完全に一時代の終わりを感じさせます。しかも、チームの不調に関係なくアンリが3年連続で得点王に輝いているのもなんだか切ないです。
ちなみにこの年はシェイ・ギブンが2002年以来二度目のベストGKに輝いています。
2006/07
最多獲得: ユナイテッド 8 (5度目)
ついにユナイテッドが5度目の最多防衛、アーセナルを上回って単独トップに躍り出ます。圧倒的な強さです。集計時にもよし、ユナイテッドだから5回くらいは防衛するだろう、という安定感が凄かったです。
現実世界でもついにチェルシーから王座を奪還。PFAベストイレブンにも、ファンデルサール、ヴィディッチ、ファーディナンド、エヴラ、ロナウド、スコールズ、ギグズと7人を送り込む圧倒的具合です。勝ち点的にはそこまでさはついていませんが、最近のリバプールみたいですね。
ここからマンチェスター・ユナイテッドの第二の黄金時代の始まりといっていいでしょう。実際のプレミアリーグではまだまだしばらく続くのですが、UPCの世界では誰かユナイテッドを止められるでしょうか。
2007/08
・最多獲得: アーセナル 22 (5度目)
勘の良い方ならお気づきかもしれませんが、最強ユナイテッドを止められるチームといえば、そう、もちろんアーセナルです。
ミドルズブラに一度奪われ、その後ウエストハムに渡ったタイトル(?)をシーズン半ばで再び奪い返すという荒業で、なんと、このシーズンアーセナルはシーズン22期獲得を達成。これはここまでの最多記録で、シーズンの半分以上の間アーセナルが保持していたことになります。
その後アーセナルから奪取したチェルシーが負けなかったこともあって、シティ、アーセナル、ミドルズブラ、ウエストハム、チェルシーというたったの5チームしか登場しませんでした。
結果としてはリーグ優勝には届かず、黄金時代とまではいきませんでしたが、アーセナルが若きセスク・ファブレガスらを擁して再び調子を上げてきたシーズンで、優勝のユナイテッドと勝ち点2差でチェルシー、そのさらに2下にアーセナルと大接戦でした。
PFAベストイレブンにもサニャ・クリシーの両サイドバックにセスク、アデバヨールとアーセナルから最多の4選手が選出されています。
ただ、この年のMVPはトーレスやサンタクルスといった選手たちとの争いを制して31得点というとんでもない数字で二年連続の得点王となったクリスティアーノ・ロナウドですね。このころの選手が今も第一線級で普通に活躍しているという事実に震えます。
ちなみに、非公式プレミアリーグ王者にも何度か登場しているダービー・カウンティがこの年1勝8分け29敗というとんでもない出来で、勝ち点たったの11、得点20に対し失点89で得失点差はマイナス69という今でも歴代ワースト一位の成績で降格しています。
2008/09
・最多獲得: リバプール 12
ここまではアーセナルとマンチェスター・ユナイテッド二強の様相を呈していましたが、ついにここにきてリバプールが殴り込み。
チェルシーを制して最多防衛、かつそれ以後は無敗でシーズンを終え、現実世界でもユナイテッドを勝ち点4差にまで追い詰めました。
しかし、それでも届かない壁が絶対王者ユナイテッド。得点王こそチェルシーのアネルカが獲得していますが、なんとこれで98-01以来の前人未到の二度目の3連覇です。(というか2001年はチャンピオンシップにいたせいでこの一度目の3連覇に触れていませんでしたね笑)
全く関係ないのですが、二部のベストイレブンにスウォンジー所属、ジェイソン・スコットランドという選手がいます。イギリスにはイングランドという苗字の日ともちょくちょくいるのですが、これ日本語にしたら日本太郎、ってことですからね、流石に適当すぎる気がします。
2009/10
・最多獲得: バーミンガム・シティ 9
ここにきてまさかのバーミンガム!
ユナイテッドがリバプールにタイトルを奪われ、リバプールがフラム相手に油断した隙をついて奪取、そのままチェルシーに奪還されるまで9連続防衛でこの年の一位に輝きました。
そろそろクラブの経営規模の格差が出てきているころのはずなので、この偉業には拍手を送りたいですね。バーミンガムにはプレミアに非公式王者を持ち帰ってもらった恩があるのでなんだからうれしいです。
ちなみにこの年の順位は9位で、ジョー・ハートがベストGKに選出されています。アストン・ヴィラ時代のミルナーもいますね。
絶対王者マンチェスター・ユナイテッドを止めたのはアンチェロッティ率いるチェルシーで、勝ち点1差と僅差ながら、最終節にウィガン相手に8-0で爆勝して優勝を決めています。29得点を挙げたドログバが得点王に輝きました。
2010年代
2010/11
・最多獲得: アーセナル 11 (6度目)
またしてもアーセナルです。非公式王者の世界では現実世界と比べ物にならない強さを見せています。
この年はベルバトフとテベス、というなんとなく外国人傭兵部隊感あふれる2人が得点王を分け合い、ついにマンチェスター・シティがリーグ3位に食い込んで、今後の躍進を予感させました。
ただ、非公式王者のタイトルはホームでアーセナルに3-0で敗れ、あっさり手放しています。アーセナルがアウェイでシティに3-0で勝利していた時代もあったんですね・・・(遠い目
それ以外はトッテナム、フラム、エヴァートン、チェルシーなどいつも通りの顔ぶれです。時代がだいぶ現代に近づいていきました。ちなみにこの年3部のベストイレブンにサウサンプトンのララーナ、チェンバレン、フォンテらが選ばれています。
2011/12
・最多獲得: ユナイテッド 7 (6度目)
シティが伝説的なアグエロのゴールで最終節に勝利し、ついに40年以上ぶりにリーグ優勝、2010年代のマンチェスターシティ時代の訪れを高らかに告げたのを記憶している人も多いのではないでしょうか。
プレミアリーグが始まって以来、上位2チームが勝ち点で並び、得失点差に基づいて優勝が決定した初めての年でもありました。ユナイテッド、ブラックバーン、アーセナルに続く4人目のチャンピオンです。
非公式王者の方も接戦でしたが、こちらはシティより1多い7回の獲得でユナイテッドがアーセナルと並ぶ6年という最多防衛記録に並びます。また、初めてウェールズのクラブであるスウォンジーが一瞬とはいえ獲得しました。
ロビン・ファン・ペルシーがロナウド以来の30点の大台に乗せて得点王に輝き、ほぼ独力でアーセナルをCL圏内に引き留めました。
2012/13
・最多獲得: ユナイテッド 15 (6度目)
まさかのマンチェスター・シティの台頭によりアレックス・ファーガソン監督勇退のプランを崩されたユナイテッドはこの夏昨季の得点王ファン・ペルシーをアーセナルから獲得、満を持してシーズンに臨むと2位シティに勝ち点11差をつけて優勝、非公式王者も14回連続防衛に成功し、シティを上回り、絶対王者の貫禄を見せつけます。
また、古豪ウエストブロムがここにきてようやく非公式王者奪取です。
個人レベルでいうと、チームを移籍しても即座に適応し、2年連続得点王に輝いたロビンとギャレス・ベイルの大暴れが目立った年でした。
ベストイレブンはそこまで真面目にチェックしていないのでもしかすると勘違いかもしれませんが、この年はアーセナルの選手が一人も選出されておらず、これはプレミアリーグ史上初の事態のような気がします。
2013/14
最多獲得: アーセナル 12 (7度目)
相変わらずこちら側の世界では圧倒的な強さを見せるアーセナルが7度目の最多獲得、この年好調だったリバプールをかわしています。
ファーガソン監督の退任とともにユナイテッドの黄金時代がついに終わりを告げた年でもあり、『君がいないと非公式プレミアリーグ王者の世界もつまらなくなるな、アレックス』と寂しげにつぶやくアーセン・ベンゲル監督の姿が目に浮かぶようです。
ルイス・スアレスが大爆発し、リバプールのリーグ初優勝は確実かに思われましたが、ジェラードのスリップをきっかけに調子を落とし、最後はシティがまたしても優勝しました。
そろそろ普通に覚えている方も多いと思うので、あまりわざわざ思い返して書くことがなくなってきました。
2014/15
最多獲得: チェルシー 17
現実世界での成績から考えると意外なことに、ここにきてチェルシーがついに初の最多防衛です。第二次モウリーニョ政権でリーグ優勝も果たしています。
この年のチェルシーから6人がベストイレブンに選出、ファン・ペルシー以来ベストイレブンに誰も送りこめていなかったアーセナルですが、サンチェスが選ばれています。
この記事の前半で選手として登場したマルティネスが気づけば監督になり、ティム・シャーウッドに至っては監督になってそれから解雇されています。
2015/16
最多防衛: アーセナル 10 (8度目)
この2015/16シーズンは皆さん後存じ、ミラクルレスターがリバプールやトッテナムをさしおいて5チーム目となるリーグ優勝を成し遂げた年で、どんなミラクルを見せてくれるのかと期待していたら、ふたを開けてみれば結局いつもと変わらずアーセナルが防衛しまくっただけの年でした。
というかこの年アーセナルはレスター相手にダブルを決めているのに2位に甘んじてレスターに優勝を許しています。
非公式プレミアリーグ王者タイトル50個でCL出場権と交換とか、100回でプレミアリーグ優勝1回と交換とか、そんなキャンペーンやってないですかね。
しかも、3年連続新規獲得チームなしということで大分顔ぶれが固定されてきました・・・と書いてて思ったんですが、ん?最後に保持していたのがニューカッスル?ということは?
2016/17
・最多獲得: ブライトン 8
そう、ここにきてまさかのチャンピオンシップ降格です・・・
もうだいぶ2019/20シーズンが迫っているんですが、これ現代までにプレミアリーグに帰れるんでしょうか?
まさかシェフィールド・ウェンズデイと15年ぶりに懐かしの再会を果たすことになるとは思いませんでした。もしかして15年間ずっとチャンピオンシップで頑張っていたんでしょうか。
二部に落ちたおかげでバートン・アルビオン、ブレントフォード、ブライトン、ウェールズからの二チーム目カーディフ、ブリストル・シティと新顔祭りです。
余談ですが僕は高校のころブリストルに1年間ホームステイしていたのでブリストル・シティのライバルである4部くらいに当時いたブリストル・ローバーズのマフラーを持っています。多分日本に一つしかないんじゃないでしょうか。
そういえば、プレストンも僕が大学に行っていたランカスターという街から電車で15分くらいです。なぜかチャンピオンシップは馴染みのある土地が多いです。
というか地図を見て思ったんですが、バートンもシェフィールドもバーミンガムもレスターも全部数十キロくらいしか離れていません。ロンドンほどではないとはいえ、とんでもないサッカークラブ密度です。
この年のベストイレブンにはルイス・ダンクやライアン・セセニョンがいますね。フラムはプレーオフに出場したのですが、惜しくも昇格を逃します。ちなみに、かつての強豪ブラックバーンが3部にこの年降格してしまいました。
というかこの企画、プレミアの歴史を振り返る!なのにちょこちょこ二部に来るせいで振り返りに大分穴が開いています。笑
2017/18
最多獲得: ウォルバーハンプトン 11
この年は今もプレミアリーグで躍進しているウルブズが圧倒的強さで優勝、昇格を勝ち取ったのですが、非公式王者のタイトルも最多獲得です。
ハル・シティ、イプスウィッチ、レディングの3チームが新たに仲間入りです。ノッティンガム・フォレストとも懐かしの再会です。
また、9試合目にシェフィールドユナイテッドがシェフィールドウェンズデイからダービーに勝利し非公式王者の称号を奪い取るという熱い展開が発生しています。
ちなみに、非公式プレミアリーグ王者とは全く無縁のところでマンチェスターシティが史上最多の勝ち点100に加えて史上最多勝利数と史上最多得点数を更新して圧倒的な優勝を果たしています。モハメドサラーも32得点と38試合制になってからは最多得点を記録しています。
2018/19
最多獲得: ストーク&ノリッチ 7
お、一時期はプレミアリーグの常連でありながら非公式プレミアリーグ王者のタイトルは逃していたストークがここにきて初登場、かつこの年の最多獲得です。
ただ、一度目に獲得した際に『新顔が調子に乗るなよ』と言わんばかりに大先輩のバーミンガムに奪われているのが笑えます。
そして、、、もう一チームの最多獲得かつシーズン終了時点での非公式王者はノリッチ、、、ということは!?!?
昇格です!!!
19/20シーズンを前にギリギリでプレミアリーグに滑り込むことができました。なんとか非公式プレミアリーグ王者のメンツを保つことができます。ノリッチには二つの意味で感謝です。なぜ二つの意味なのかは次の項で分かります。
この年のPFAベストイレブンにはマックス・アーロンズ、ジャック・グリーリッシュ、アストン・ヴィラにレンタルされていたタミー・アブラハムなど今をときめく選手が目白押しです。
地味に三部落ちをしたブラックバーンがしぶとく復活してきています。いずれプレミアで見られるでしょうか。
2019/20
最多獲得: リバプール 27(2度目)
そう、ノリッチの開幕戦の相手はリバプールだったのです。おかげで最終シーズンの集計は楽勝です。
一目瞭然ですが、リバプールが圧巻の27連続防衛を決め、シーズン終了を待たずして最多獲得を決めています。
27連続防衛は最多記録、そして一シーズンに27期獲得というのも最多記録ですね。圧倒的な強さです。
そして、リバプールの無敗を止めたワトフォードが直近の試合でパレスに敗れたので、現在の非公式プレミアリーグ王者はクリスタル・パレスが所持しているという結果になりました。
まだまだサッカーが再開しそうにないので、パレスの王座はもう少し続きそうです。
今季はPFAベストイレブンの発表がどうなるのかわかりませんが、もしあるなら恐らくほとんどがリバプールの選手で占められることになるでしょうね
まとめ
・現非公式プレミアリーグ王者: クリスタル・パレス
・最多獲得: アーセナル 115期
(次点 マンチェスター・ユナイテッド(113期)そのあとにチェルシー、リバプールと続きます)
・最長防衛: リバプール 27期連続
・非公式プレミアリーグ王者タイトル保持経験があるチーム数: 53
↑タップしたら動くよ! (グラフの作成協力: polestarさん)
最多タイトル保持は僅差でマンチェスター・ユナイテッドをかわしてアーセナルが手にしました。その後ろのチェルシーは81、リバプールは79なのでちょっと差がありますね。
マンチェスター・シティは現実世界での強さとは対照的にあまり登場せず、ニューカッスル、エヴァートン、フラムあたりの古豪がやはり年季が入っているだけあって強いです。
現在プレミアリーグに所属しているチームで非公式王者獲得経験がないチームはないですね。最少はボーンマスの1です。
二部を探してみてもほとんど全チームが一度は非公式プレミアリーグ王者タイトルを保持したことがあるのですが、唯一一度も経験していないのは、今23位に沈むルートン・タウンです。
なんとなく、一度くらい非公式王者を取っておかなくてはプレミアリーグに昇格する資格がない、といった趣すらあります。
さて、特にまとめることももう他にないのですが、どうでしたでしょうか。集計ミスの可能性ももちろんありますので、もし暇で暇で仕方がない人がいたらチェックしてみてください。
もし誰かがスポンサーになってくださるなら、1888/89シーズン王者のプレストン・ノースエンドから130年分現在までたどってみたいと思いますので、連絡お待ちしています。ただ恐らく半年くらいかかると思いますが、その点はご了承ください。
ディスカッション
コメント一覧
イっちゃってますね、、、
最高っす
0304はアーセナルで染まると思いましたが、、
ちょうど最近ダゾーンのクラシックマッチでやってたソルのエルボーが原因で、
最後リーズのキューウェルにボコられたんすよ