アーセナルはアレクサンドル・ラカゼットを売却すべきである
アーセナルフロントの不手際
アーセナルは近年の移籍市場で多くの間違いを犯してきた。疑問の余地がある獲得が多く、チームの事情を無視し、土の役割を果たすのか明確なプランがない選手補強も目立った。
だが、それ以上に残念なのはアーセナルの選手の放出だ。
キャリアのピークにあったラムジーとウェルベックはフリーでの放出が許可され、アレクシスとムヒタリアンの交換移籍というのは、フェラーリを原付と交換するようなものだ。
しかも、アレクシスの放出の結果エジルの契約延長のプレッシャーは増し、エジルに破格の契約をオファーせざるを得なかった。
アーセナルフロントがもう少し物事をよく考えていれば、サンチェス、ラムジー、ウェルベックといった選手たちを売却する決断をもっと早く下していただろう。
そして、そのお金を元手にクラブの再建に着手していたに違いない。だが、その代わりに、売却の失敗を隠すためにパニックバイを繰り返してきた。
2019/20シーズンの結果がどうなるかは不透明だが、来季アーセナルがCLに出場できる可能性は低いだろう。18/19シーズンにアーセナルは既に27Mの赤字を計上しており、アーセナルがチームの変革のために使えるお金は多くない。
したがって、そのためには賢く選手を売却し、資金をねん出する必要がある。
オーバメヤンとラカゼット
今のアーセナルは、感情やクラブのメンツなどに振り回されない決断が必要な時期に来ている。サンチェスの退団後のパニックバイによりやってきたオーバメヤン(もちろん、彼の獲得は成功だったが、だからといってこれがパニックバイではなかったということにはならない)はこの夏の凝り契約が一年になる。
彼は31歳で、CL出場権がなければ、アーセナルはオーバメヤンが得るに値する給与をオファーする余裕がないだろう。
もちろんこれはオーバメヤン自身に契約延長のつもりがあるという前提の話で、仮に彼が移籍を望んだとしても理解できる話ではある。
しかし、より難しい問題は、アレックス・ラカゼットをどうするかだ。この夏彼の残り契約は2年となり、また5月には彼は29歳になる。恐らく、次の契約が彼のキャリア最後の大きなものとなるだろう。
そろそろクラブは、彼の契約を延長するか、売却に踏み切るか、考え始めなくてはならない。
もしオーバメヤンが退団するのであれば、アーセナルがラカゼットを保持しようと考えるのは理解できる。サンチェスが移籍したのでエジルは留まったし、ナスリとセスクが移籍した年、そしてその翌年にファン・ペルシーが移籍した時も、クラブはウォルコットを同時に放出することはできないと決断し、契約延長に踏み切った。
だが、今回は、アーセナルは断固とした姿勢を取り、仮にオーバメヤンが移籍したとしても、ラカゼットの売却に踏み切るべきだと思う。選手の売却は必ずしもチームに不要だから行われるわけではない。個人的には私はラムジーのことが好きだったが、それでも2016年に私はラムジーを売却すべきだと主張していた。
ラカゼットは良い選手だが、29歳で高額の契約をオファーするには、得点数が少し足りないように感じる。
ラカゼット獲得の6か月後にオーバメヤンがやってきたことがそれを象徴している。ラムジーとサンチェスの穴をラカゼット一人では埋めきれないのだ。
アーセナルの将来の攻撃陣
アーセナルの攻撃陣はうまく機能しているとは言い難い状態が長く続いており、アルテタは前線と恐らく中盤を再編する必要がある。
残り契約が二年となっている選手の売却は選手獲得の資金をねん出する良いスタート地点と見ることも出来るだろう。リバプールがコウチーニョの放出を決めた時も、それは不人気な決断だった。
アーセナルは、クラブでより中長期的な将来がある、マルティネッリやペペといった選手たちを中心に据えるべきだ。恐らくこのリストにサカも加えることが出来るだろう。
彼はここまでのところサイドバックで輝いているが、今チームに既に左サイドバックは二人いる一方で、左サイドのアタッカーは希少なものとなっている。
アーセナルの優先事項はペペ、サカ、マルティネッリといった選手たちとうまく連携できる選手を探すことで、ラカゼットを売却し、よりこの3人と相性がいい選手を獲得する、というのは理に適った戦略に思える。
ファンからの受けは良くないだろうが、例えばウェルベックやラムジーを売却していたとしたら、これもファン受けは良くなかっただろう。だが、もしこれが実現していたら、クラブの経営は今よりはるかに健全なものになっていたはずだ。
アーセナルは、過去と同じ過ちを繰り返し、単に人気だからという理由で選手に長く縋りつきすぎてはならない。
クラブ上層部は、30代が近づいてくる選手に高額の投資を行うか、今ラカゼットを売却し、よりポテンシャルのある選手に投資するか、どちらがアーセナルのためになるのか、冷静に判断を下さなくてはならない。
ディスカッション
コメント一覧
自分もラカゼットの放出は賛成です
はっきりいって一人で打開できないですし、前からのプレスもエンケンティアの方がするし
フィニッシュもエンケンティアのほうが期待できる、経験の面ではラカゼットの方が勝りますが
GKからのボールの競り合いもしないイメージですし、相手CB付近をウロウロし、ポストプレーも大したことないです、ジルーの方が全然マシです
よくオーバを売って来季ラカをスタメンなんて見るがとんでもない
またオフェンスが停滞するだけなのが目に見えています
全人類的苦境の中で、この記事にどんな意味があるのか。サッカーは世界を救えないのか。今こそサッカージャーナリストはそれをすべき。…私たち全員がそれぞれの仕事、あるいは生きるということにおいて、そうすべき。
時勢の中で無駄なもの排除して言った結果、今、海外では病床が足りなくて命の選別をしています。非日常を生きる今だからこそ日常を守らねばならないのです。サッカージャーナリストは、サッカージャーナリストに許される範囲で日常を発信すべきです。
衰えた選手をどうするか。それは雇用の問題であり、人権の問題である。人を売却すべきなどというのはジャーナリストであれ誰であれ言うべきではない。私は初めにこういうべきでした。仰ってることには100パーセント同意します。