【戦術分析】アルテタのアーセナル 後編
この記事は昨日の前編の続きとなっています
アーセナルのプレスのタイミング
水曜日の試合は、2つの部分に分かれていた。前半はアーセナルはハイプレスを展開したが、後半にはアーセナルは疲れ、深く構えていた。前半のプレスは非常に統制が取れていた。
あまり機会は多くはなかったが、ユナイテッドが自陣より前でボールを保持した際には、アーセナルは442のような形でコンパクトに構え、エジルとラカゼットが一列目の守備を担当した。
子の守備の形のカギは二つあった。まず、ライン間を出来るだけコンパクトに保つことだ。これにより、ユナイテッドを外に追いやるまたは、リスクの高いドリブルやパスに追いやることができる。
第二に、相手がボールを保持した際に自由を与えないという点だ。中盤にボールが来た際には相手がターンする前にトレイラあるいはジャカがつぶしに行き、ボールの後退を強いた。サイドでもナイルズとコラシナツが同じ方針でプレイしていた。
そして、ボールが後ろに下げられた、あるいは横パスが出された瞬間にアーセナルはプレスを開始した。この図のオーバメヤンのように、マグワイアからの横パスを予期してプレスのスイッチを入れていたのだ。
カウンターへの対処
トランジション。エメリのアーセナルはこれに対処できなかった。ユングベリは問題を見つけたものの、修復はできなかった。そして、アルテタ体制となってからも、チェルシー戦の終盤ではカウンターから失点してしまった。
では、アーセナルは水曜日に国内でも最も危険なカウンターを展開するチーム相手にどのように対処したのだろうか?
ナイルズが中央寄りのポジションをとることが多くなったのは注目を集めているが、この戦術のユニークさは、ナイルズが中央でパス交換に参加できるというだけではなく、ボールを失った際の対処にもある。
ナイルズとトレイラとジャカの3センターのような形になることが多く、これにより、ポゼッションを失った直後の守備力は増していた。
以前のアーセナルは一人あるいは二人でピッチの横幅の全てをカバーしなくてはならなかったが、突如としてアーセナルは相手の攻撃を遅め、相手を再度に追いやったり、カウンターに備えることができるようになったのだ。
基本的にはボールに最も近い二人、オーバメヤンとラカゼットがボール奪取に走る一方で、その後ろでルイスとソクラティスの前を3人がカバーすることができる。
特に、アーセナルが得点した場面でもこの形は機能していた。結局この備えは必要にならなかったものの、常にナイルズ、トレイラ、ルイス、ジャカはカウンターに備えて相手に注意を払っていた。
アーセナルがこれを続けることができれば、カウンターに対する守備力は格段に上がることだろう。
私が思うに、以上の4つの点がアーセナルの最も大きな課題であり、これらに対する回答をアルテタがいかに素早く用意してきたかというのには感銘を受けている。
もしアーセナルがこのままポゼッションの精度を上げ、ハイプレスをかいくぐり、かつ自分たちではより機能するプレスを展開し、そしてカウンターにも備えられれば、素晴らしいチームになることだろう。
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