マルティネッリ躍進の理由を紐解く 前編

選手紹介

近年のアーセナルの選手獲得がいかにひどいかということに関しての指摘がarsecastでされたのを改めて聞いて、私は衝撃を受けた。確かに、獲得が成功だったといえる選手はほんの一握りしかおらず、今年の夏の獲得もまた、複雑な結果に終わっている。

だが、その中では、マルティネッリの獲得はレアな大当たりだったといえるだろう。彼は先発7試合で8ゴール、プレミアリーグのデビュー戦で得点したアーセナル史上最も若い選手となった。

さらに、このゴールは試合が決まってから決められた意味のない得点ではなかった。チームが本当に得点を必要としているときにもたらされた同点だったのだ。

この得点に、18歳のマルティネッリの才能が凝縮されている。コラシナツが上がるスペースを空けるための中へのランを見せると、ボールが中に入った際にはボックスの誰よりも素早く子犬のようにボールに向かって走った。

彼は、マーカーの隣でただぼんやりとボールが来るのを待ったりしないし、ファーにオーバメヤンが走りこむためのスペースをつぶさないことも意識しているようだ。

ここまでのマルティネッリの得点のうち、1つを除くすべてがサイドから供給されたボールによる得点だ。低い弾道でのクロスも、ヘディングでのゴールもあるが、そのどちらにも合わせられる嗅覚をマルティネッリは見せている。

その決定力も素晴らしく、彼は7ゴール決めるのに26本しかシュートを打っていない。

また、このティーンエイジャーは運動量もすさまじい。彼はいったんリラックスする余裕を相手DFに与えるそぶりを見せてから光速で相手に襲い掛かる。まるでフットサルをプレイしているように時折見えるが、それも驚きではないだろう。マルティネッリもまた、他の多くのブラジル人と同じように、フットサル経験がある。

ロナウジーニョをはじめ、多くのブラジル人選手がフットサルを通してそのテクニックを培ったといわれている。ハードコートで行うためボールの動きが早く、ファーストタッチが非常に重要になるし、相手にプレスもかけ続けなくてはならない。

マルティネッリは9歳でコリンチャンスにフットサル選手として加入し、その後サッカーに移行することとなった。

かつてアーセン・ベンゲルは南米はストリートサッカーの文化のおかげでヨーロッパよりも優れたストライカーを輩出できるのではないかという意見を述べた。より厳しい環境で、かつ年上の子供たち相手にサッカーをしなければならないからだ。

恐らくこれにより、青二才を蹴飛ばしてやろうというと年長者たちとも互角に渡り合えるような選手が生まれるのだろう。確かに、近年の南米産FWが体格は良くないながらもそのような選手がそろって言うのは偶然ではないかもしれない。アグエロやサンチェス、ガブリエル・ヘズス、ルイス・スアレスらがぱっと頭に浮かぶ。

ガブリエル・マルティネッリは常にデュエルを求めて走り続け、相手のDFの足元に飛び込んでいくというスタイル面では、ルイス・スアレスをほうふつとさせる。彼のボールの運び方は相手DFにとって読むのが難しいし、ボールを持っていないときの駆け引きにも長けている。

(Source: https://arseblog.com/2019/12/gabigol-raiz/)

(明日の後編に続きます)

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Posted by gern3137