アーセナルはムニエに資金を費やしている余裕はない

分析James Mcnicholas

現状、アーセナルを取り巻く移籍の噂は数が多すぎ、どれが事実に基づいているのかを判別するのは非常に難しい。オーバメヤンとジャカの退団が報じられたかと思えば、24時間後にはそれが否定されていたりする。

獲得に関してもそれは同じで、まだ夏の移籍市場は始まったばかりだが、ガナーズはすでに数えきれないほどの選手の獲得がうわさされている。アーセナルの資金を考えれば、これは少し奇妙だ。

CL出場権を逃したことで、アーセナルの予算は40M£程度に制限されるとみられ、これを考えると、特に奇妙なのがベルギー人右サイドバック、トマス・ムニエ獲得の噂だ。

これは、ムニエが悪い選手だという意味ではない。むしろその逆で、彼は史上最高かもしれないベルギー代表の一員で、リーグアンのチャンピオンPSGで27試合に先発出場している。

彼の190cmの身長とフィジカルはアーセナルに足りないものをもたらしてくれるに違いない。だが、30M€という移籍金がうわさされており、喫緊の課題というわけでも無いポジションにアーセナルが予算の半分以上を費やすというのは非常に妙だ。

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ベジェリンはヨーロッパでも指折りの右サイドバックの一人であり、もしアーセナルが彼を売却してムニエを獲得しようとしているのだとすれば、正気の沙汰ではない。

確かにアーセナルには右サイドバックが必要だ。彼は最も早くとも10月までは復帰しないだろうし、その後も、即座にスタメン、というわけにはいかないだろう。そして、リヒトシュタイナーは退団が決まったようだし、ジェンキンソンの退団も有力視されている。

となると、残りはメイトランド=ナイルズのみとなるし、もしかするとエメリは彼の将来はサイドではなく中盤にあると考えているのかもしれない。

そういう意味では、ムニエは確かに余裕があるのであれば良いオプションと言える。彼は右サイドバックだけでなくWBとしてもプレイでき、スリーバックフォーバック両方に対応できるからだ。

エメリは来季は自身の好む4バックにシステムを戻すのではないかと予想されているが、ムニエ獲得の噂が事実なのであれば、そうではないのかもしれない。

現在のアーセナルの最も優れた選手はオーバメヤンとラカゼットであり、彼らを活かすには3-5-2が最適だと判断しているのかもしれない。

もしかすると、ライアン・フレイザーもエメリはより後ろ目のポジションで使うかもしれないサイドバックとウイングバックはエメリの戦術の肝であり、このポジションに多くの高いクオリティを持つ選手を揃えたいと願っていることは考えられることだ。

しかし、アーセナルに必要なのは右サイドバックだけではないのだ。ムニエに大金を費やすことは、CBやCMFのための予算を大幅に削ることになってしまう。

アーセナルはコシェルニーとラムジーというチームの背骨ともいえる二人の後継を探す必要があるのだ。前者はもう年齢が年齢だし、後者はフリーでチームを去る。

ムニエは同時にユナイテッドやエヴァートンへの移籍も噂されている。どちらかと言えばこの2クラブのどちらかのほうが現実的な移籍先と言えそうだ。彼らのほうが予算があり、そして先発の機会が多いのだから。

アーセナルにはベジェリンのバックアップが必要かもしれないが、ベジェリンの代役を探す必要はない。彼がけがから完全に復帰すれば、彼がファーストチームの不動のメンバーとなることは間違いないのだから。

そうなってしまえば、ムニエは30Mの控え選手となってしまう。アーセナルにはそのような贅沢な予算の使い方をする余裕はないはずだ。

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Posted by gern3137