アーセナルはヨーロッパリーグがお似合いのクラブになってしまった
バクーへの道のりは長い。現地観戦を選んだアーセナルファンは、その見返りにたいして何も手にすることなく帰路につくこととなった。
贔屓のチームの決勝戦を観戦するためにここまでのことをするというのは見上げたファン魂だが、彼らは選手が同じだけのクラブへの愛を示してくれれば、とため息交じりに願ったことだろう。
この試合は非常にがっかりなウナイ・エメリのシーズンへの最後の一撃だった。本の数週間前にはプレミアリーグを3位で終えるのも濃厚に見えたが、結果的には、そこからの酷い躓きで5位に終わってしまった。
この時点ではまだ、挽回のチャンスは残されていた。ヨーロッパリーグのトロフィを掲げると同時にCL出場権を確保するというチャンスが。
だがもちろん、それは実現しなかった。
前半のアーセナルは悪くないように見えたが、失点(決めたのはジルーだ、もちろん、他に誰がより適役だというのだろう?)を許した途端に彼らは崩壊した。
このパターンはシーズン通してアーセナルにはお決まりになってしまっている。一度試合のコントロールが効かなくなると、焦り、そして疲れ、隙をつかれて失点を重ねる。
ムヒタリアンの問題が持ち上がった際に、アーセナルは決勝戦をボイコットするべきではないかと主張するアーセナルファンもいたが、後半はまさにボイコットしたかのように、アーセナルは何もできなかった。
Embed from Getty Imagesこれにより、アーセナルはまた一年ヨーロッパリーグで過ごすことが決定した。またしても、参加したくはないが、現実的に最も高いCL出場権獲得の可能性を提供してくれる大会だ。
そろそろアーセナルも慣れてきたころだろう。19/20シーズンで3年連続での出場となる。最初にアーセナルがELに滑り落ちた際には、一時休業中のCLクラブのように感じられた。だが、今や現実と向かい合うべきだろう。今のアーセナルはヨーロッパリーグがお似合いの選手たちを抱えたヨーロッパリーグがお似合いのクラブになってしまった。
ここからアーセナルはどこに向かうのだろうか?
大幅なチームの入れ替えが必要なことは明らかだが、EL優勝を逃したことがアーセナルに与える経済的な損失は大きい。さらに、これにより、ヨーロッパのエリートクラスの選手たちを惹きつけることもできない。
サンジェイは全ての可能性に備えていると語っていたが、恐らく今頃彼は選手獲得リストからトップクラスの選手たちの名前を線で消しているところだろう。
アーセナルには放出/代役の確保が必要な選手が多くいる。モンレアルとコシェルニーは年齢面でより若手の代役が必要だし、ジャカを中心に据えたこの3年がアーセナルにとって成功だったとは言い難い。
エジルに関しては、ウィロックとの交代は非常にメッセージ性があった。金銭的な制約のおかげで彼の巨額の給与はより音大になる。出来るならば彼を放出するのがアーセナルにとって最善であるのは疑いの余地がない。
そして、エメリに関してはどうだろうか?彼がアーセナルをCL出場権獲得ギリギリのところまで導きながら、最後のいくつかのハードルを越えられずに崩壊したのは大きな懸念点だ。
アーセン・ベンゲルの最悪だった最終年のチームと比べて、今のチームが明確に勝っているようには見えない。エメリは、アーセナルが水底に沈んでいかないように、何とか立ち泳ぎで水面に顔だけ出させているような状態だ。
Embed from Getty Imagesもちろん、一人だけこの状況を変えることのできる人物はいる。
オーナーのスタン・クロエンケは自立型のモデルを保ちたいと口にしているあ、現実の規則上、彼が望めば、新オーナーとしてある程度の投資を行うことは出来る。
だが、彼がバクーに姿を見せなかったことが象徴的だろう。彼が試合に出席する時間さえ割くつもりがないのであれば、資金を割くつもりなどあるはずもない。
アーセナルは悪循環に陥っている。CLによる収入がないためチームは苦労し、CL出場権を逃す。これが長く続けば続くほど、クラブは衰退していく。
恐らく、唯一の希望は、ジョー・ウィロックらの若手だろう。
今の時点で、アーセナルに出来る唯一のことは、保持している若手選手に全てを託すというギャンブルに出ることに思われる。どちらにせよ、近い将来CLに復帰できるようには見えないのだから、それならば若手に出場機会を与えてみるべきかもしれない。
ここからの道のりは、恐らく非常に長い。
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