エメリはアーセナルの若手革命を成功させなくては、手痛い損失を被ることになる
I普段よりも人数の多いEL決勝のベンチに置かれる可能性があるため、エメリがシャビエル・アミーチとブカヨ・サカをアーセナルのファーストチームでトレーニングさせたのは非常に良い兆候だった。
しかし、アーセナルが彼らを含めた近年では最もタレントに恵まれたユースアカデミーの選手たちを保持しようと交渉するにあたって、少し遅すぎたのではないかという気持ちはぬぐえない。
2000年以降今れの選手たちは、ジェイドン・サンチョやリース・ネルソン、そしてより注目されていなかったマヴィディディに何が起こったかをよく見ている。彼はユベントスのU-23と契約したが、ファーストチームの一員として出番を得ているのだ。
Embed from Getty Images彼らは、自分たちも同じような道をたどれると考えるに違いない。そして、彼らは、もしかすると彼らのポテンシャルの実現の壁となっているのは、ファーストチームへのハードルが高すぎる所属クラブかもしれないということに気づく。トップクラブは常に熾烈な順位争いにさらされているからだ。
先日Football Londonが行ったアンケートでは、ファン若手にチャンスを与えることを望んでおり、放出してもよい選手という項目ではキャプテンのコシェルニーが8%だったのに対し、ジョー・ウィロックとブカヨ・サカはさらに低い6%だった。
しかし、アーセナルの周りには虎視眈々と彼らを狙うクラブが集まり始めている。ドイツのクラブが先陣を切っているが、スペインやイタリアからのスカウトの姿もちらほらみられる。
レアルマドリードのようなビッグクラブでさえも興味を示しているらしく、ネルソンが昨季契約延長をした直前には彼を横取りしようと企んでいたくらいだ。
彼は来季チャンスを与えられるかもしれないが、五月の時点で来季についてあれこれ言うのは簡単だ。エメリはこれまでも常に若手を起用する意思を繰り返し示してきた。
今季エメリがその言葉をきちんと守ったかどうかというのは非常に難しい問いだ。もちろん、全く若手を起用しなかったと責めることはできないだろう。ゲンドゥージはエジルやムヒタリアンも出場試合数が多い。同じように、ナイルズも右サイドで輝くチャンスを与えられた。
Embed from Getty Imagesだが、彼らの下の世代のヤングスターたちは、エメリに気づいてもらうために待ち続けることが出来ないレベルにまで来ている。
エメリは時に、若手の成長のためにならない行動をとることもあり、その良い例がエンケティアだ。FA杯ですでに敗退しているにもかかわらず、エンケティアを控えのストライカーとして必要としているという判断を下し、アウクスブルクへのレンタルをブロックしたのだ。
だがその結果、エンケティアはシーズン通してたったの60分しかプレイ時間が与えられなかった。
また、冬の移籍での方針も奇妙で、スミス=ロウやサカ。アミーチといった若手が素晴らしいパフォーマンスを見せているのにバックアップとしてスアレスの獲得を決断したりもした。
彼は途中出場が6度だけに終わり、これならば、他の若手選手のほうがより出番はあっただろうと思わざるを得ない。
また、U-23の試合を観に訪れるのはトップチームのコーチの中では、スティーブ・ボールドだけだ。彼ら若手に、アーセナルでは夢見ることすらできない定期的な出場機会を与えられるという甘い文句と共に、ヨーロッパじゅうのスカウトたちが列をなしている。
さらに彼らを後押しするのは、彼らの同僚が世界を舞台に活躍しているということだけではない。アーセナルでは苦しんでいた選手たちが、クラブを移して活躍する、という事例もいくつもあるのだ。
エンポリでのベナセールの活躍はナポリの注意を引いているし、チューバ・アクポンはギリシャでタイトルを勝ち取った。アヤックスとタイトルを争ったアイントホーフェンのレギュラーとしてマレンは出場している。
もし彼らがエミレーツに残っていたら、ファーストチームでの出場機会を与えられる可能性がほとんどない状況でこのような活躍が出来ただろうか。
若手にチャンスを与えることを抜きにして、アーセナルの再建はあり得ない。サンチョがシティを去った際にアーセナルは彼を狙っていたが、サンチョは代わりにドルトムントを選んだ。より出場機会を得られると考えたからだ。
ウナイ・エメリがアーセナルのユース選手たちに機会を与えるつもりがあると証明できない限り、アーセナルは有望な若手を失うだけではなく、他クラブの若手選手にとっても魅力的ではない移籍先と映ってしまうだろう。
(Source:
https://www.football.london/arsenal-fc/players/arsenal-youth-revolution-unai-emery-16287570 )
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