エメリはラムジー抜きでの勝利の方程式を見つけ出す必要がある
ラムジーと契約延長が行われないことが明らかになって以来、アーセナルがラムジーのいないチーム作りをどうするのかという問いに対する答えを見つけなければならないことはわかっていた。二月には彼の具体的な移籍先も明らかとなり、ユベントスへのフリー移籍が発表された。
それにもかかわらず、ラムジーのチーム内での重要度は今季どんどんと上昇していった。だが、彼はヨーロッパリーグでケガを負い、ガナーズは彼抜きでの戦い方を見つけなくてはならない。
エメリにフェアな見方をするのであれば、確かに彼はシーズン前半はラムジー抜きでのチーム構築を目指していた。彼はベンチで過ごすことが多くなり、エメリはラムジーに頼ることからの脱却を目指していた。
しかし、ビッグゲームが訪れるたびに、常にラムジーは呼び戻された。シーズンが進むにつれ、ラムジーの心はいまだにアーセナルと共にあることがわかってきた。
レンヌ戦での3-1の敗北後、アーセナルのCL出場権とエメリの監督としての評価は大きな危機に瀕していたが、監督はそれに対し、ラムジーをチームの中心に据えることで対処することを選んだ。そして、彼はその後のアーセナルの好調の中心的な選手となった。
シーズンを通して、エメリは攻守の良いバランスを見つけ出すことに苦戦してきたが、ラムジーのボックストゥボックス型MFとしての能力の高さが、その解決策となったのだ。タイプこそ全く違うが、かつてのカソルラと同じように、アーセナルの攻守をラムジーは非常にうまくまとめ上げて見せた。
だがそれも、ナポリ戦の前半34分までのことだ。ラムジーはハムストリングを押さえて地面に倒れこみ、アーセナルファンは最悪の事態を覚悟した。つまり、これがラムジーのアーセナルでの最後の姿となるということだ。
だが幸運なことに、このケガはそこまで深刻ではなかったようで、初期診断ではラムジーは2-3週間で復帰できるだろうといわれている。
だがこの怪我は、ラムジーのフィットネスに対する時宜を得た警告でもあった。彼は残念ながら、並外れた肉体を持ちながら、同時に筋肉系のケガが常についてまとうのだ。これが、アーセナルが契約延長交渉から身を引いた理由の一部であるというのは大いに考えられることだ。
今季シーズン前半に出場機会を得られなかったことで、逆にここまでコンディションを維持できたのだろう。アーセナルのシーズンが佳境に差し掛かり、彼がナポリ戦2試合とその間に挟まったワトフォード戦、3試合を一週間でこなすことを求められた途端に怪我をしてしまった。
ラムジーは今、シーズン終了までにチームに復帰することを目標にしているだろう。だが一方で、アーセナルはラムジー抜きでここからの試合を戦わなくてはならない。ラムジーが最速で復帰したとしても-これはあまりに楽観的すぎるようにも思えるが-非常に重要な4試合を欠場することになるのだから。
システムに応じて、エメリにはいくつかの選択肢がある。ナポリ戦ではラムジーはフリーなトップ下のようにプレイしており、このポジションの代役にはエジルが最適だろう。彼のような選手を控えに置いておける恵まれたチームはヨーロッパにも多くはない。
ただ、エメリはアウェイでのエジルの起用にあまり乗り気ではなく、そしてそれは理解できなくもない。その場合には、ナポリ戦で交代したように、ムヒタリアンを起用することも出来る。彼はキャリアを通してサイドでプレイすることが多かったが、彼はラムジーと同じようなプレイを見せることも可能だろう。
また、戦術的に少し無理があるかもしれないが、ゲンドゥージやトレイラを通常よりも高い位置で起用することも出来なくはない。
ここ最近の数週間が示して見せた通り、アーセナルにとってラムジーの離脱は非常に痛い。だが、短期的にも長期的にも、彼らはラムジー抜きでの勝利の方程式を見つけ出さなくてはならないのだ。
シーズン終了までにラムジーが復帰できる可能性は大いにあるが、エメリはラムジー抜きでのチームのバランスを整える必要がある。さもないと、彼が復帰するころには、既に遅すぎたということになってしまっているかもしれない。
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