メルテザッカー、アーセナルのユースアカデミーを語る
元アーセナルキャプテンで、今年からアーセナルのユースアカデミーを統括するポジションに就任したメルテザッカーがアーセナル公式チャンネルでインタビューを受けていましたので、訳してみたいと思います。インタビュアーは、元アーセナルのエイドリアン・クラークさんです!
(君が新しい仕事を始めてから6か月が経つわけだけど、どんな感じかな?)
サッカー選手の仕事とは全然違うからね、色々と学ぶことがあって楽しいよ、スタッフや選手たちについてね、でもまだこのプロセスは続いている。
(全く違う仕事だから大変だろうね?トレーニング施設は多くあって、ユース拠点はロンドンコルニ―とヘイル・エンドで二つもあるし、長い一日を過ごしているかな?)
今は確かにそうだね、アカデミーと選手たちをより深く理解するために頑張っている。でもその仕事をこなす準備は出来ているよ。僕の一日は大きく変わることになる。これ以上自分の中の100%を引き出す必要はないけれど、他の人たちの100%を引き出す必要があるんだ。これは大きな違いだね
(楽しい時間でもあるだろうね。君はアーセナルアカデミーがこうあるべきといった明確なビジョンを持っているんだろうか?君はある程度の自由が与えられていて、クラブのビジョンだけではなくて、自身のビジョンを表現することも出来るはずだね?)
もちろん、このクラブのアカデミーは素晴らしくて、アーセナルやそれ以外のチームでプレイできる選手を輩出してきた。我々には、この若者たちの将来にとってベストな環境を提供する責任がある。そして、それはサッカーだけに留まらない。我々は、自身の未来のために強く戦える人材を育成することを目指しているよ。サッカーの技術だけを教えるわけではないんだ。
サッカーを通して、本当に多くのことを教えることが出来る。サッカーは偉大なスポーツだからね。規律、尊重、これらは本当に重要だと思う。だが、お金が絡んできて、選手たちの周りの人々が彼らを混乱させようとするとこれらのことは良く忘れられてしまう。だからこそ、アカデミーの我々は責任をもって、サッカーも大事だが、他にも多く学ぶことは毎日あるんだと教えていかなくてはならないんだ。
(アカデミーの指導方針というのはクラブのフロントからトップダウンで決められるのだろうか?それとも、各コーチがある程度の裁量をもって臨んでいるのかな?)
それはある程度現場にも任されているよ。たくさんの良いコーチがいるからね。例えばフォーメーションは、基本となるのは4-4-3だけど、色々なものに対応できなくてはならないしね。これはトップチームでも起こりうることだ。つまり、ある程度の自由は与えられているけれど、でも基本的なことのいくつかは徹底されている。
(こういったタイプの選手を育成しよう、という方針などはあるのだろうか?)
色々なバリエーションがあるよ。本格派のDFも大事だし、魔法のようなMFも大切だ。我々はあらゆるタイプの選手を育成しようとしている。僕自身は足元が上手かったわけではなかったけれどもやっていけた、魔法のような足ではなくて魔法のような目を持っている選手もいる。
(コーチたちに関してはどうかな?)
コーチがバラエティに富んでいるのも大事だね。ユングベリのように選手としての経験があるコーチとそうではないコーチがバランスよくいる。彼らを導く指導方針はあるけれど、やはりある程度の裁量は与えられているよ。選手経験とは関係なく教える才能が大事だね。
(ユース選手がクラブを去るときに関しても教えてくれるかな?)
選手が、人生というのはサッカーだけではないということは非常に重要だ。我々は教育にも非常に多くを投資しているし、プロサッカー選手としてだけではなく、他の分野でも世界のどこかで貢献できる人物を育成したいと考えているんだ。それが僕のビジョンさ。
ファーストチームに定着するような選手ばかりが注目されがちだけど、実際のところ、そこまでたどり着ける選手の割合はほんの少しだ。だからこそ、そうではない選手たちのこともきちんと考えてあげなくてはならない。
(アーセナルユースに子供を入団させようか悩んでいる親へのアピールポイントなんかはあるかな?)
ウナイ・エメリはアーセン・ベンゲル時代から続く若手にチャンスを与える方針を継続しているし、これは大きなポイントだ。そして、我々のもとには良い人材が揃っている。若者たちを指導するのにふさわしい人たちがいると確信しているよ。サッカーに関しても、教育に関してもね。コーチたちは優れたサッカー選手だけではなく、よい人物を育成することにも誇りをもって仕事をしている。
(君は当然ながら将来アーセナルを支えるかもしれない選手たちを見ているわけだ、アーセナルファンに押せしえて欲しいんだけれど、彼らはどんな選手たちかな?)
彼らはいい選手たちだよ、とても集中している。僕の仕事、そしてアカデミー全体としての我々の仕事は、出来るだけウナイ・エメリの頭を『有望な若手が多すぎる!』と悩ませることだ。次のステップに進む準備が出来ている子供たちがたくさんいるよ。毎年プレシーズンのたびに何人か新たな若手を送り込みたいと思っている。そして、その成果で僕のアカデミーマネージャーとしての評価、そしてアカデミー全体の評価が決まることになるだろう。
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