【アーセナルのターゲット】ミハイロ・ムドリクとは?

移籍

そろそろW杯の中断期間が近づいてきていますが、それは同時に、冬の移籍市場が近づいてきている、ということでもあります。シーズン開幕前の予想をさらに上回る好調を維持しているアーセナルですが、一方で、カラバオ杯のブライトン戦で明らかになった通り、スカッドの層の厚さに関しては若干の不安もあります。これはアルテタも認めていました。

このままシーズンを走り切り、優勝を目指す、あるいはトップ4を固めるために、アーセナルが冬に大型補強に動く可能性もあると思われます。特に不安なポジションが中盤とウイングとなっていますが、ウイングに関してアーセナルのトップターゲットであるという噂がちらほら現れ始めたのが夏にも報じられていたシャフタール・ドネツクのミハイロ・ムドリクです。今回は彼がどのような選手なのか、紹介します。

ムドリクの基本プロフィール

所属: シャフタール・ドネツク
ポジション: ウイング(左サイドでのプレイがここまでは多い)
利き足: 右
年齢: 21
身長: 175cm
国籍: ウクライナ代表

契約満了: 2026年
Transfermarkt算出による市場価値: 15m€(ただし、報道によるとシャフタールの要求額は40-60m€)

ムドリクのこれまでのキャリア

ウクライナ東部、クラスノフラドの町に生まれたムドリクは、もともとは故郷から近いドニプロのアカデミーに所属していましたが、2016年にはシャフタール・ドネツクのユースチームへと移ると、2018年にはU-21でプレイしながら、17歳にして国内カップ戦でトップチームデビューを果たしました。

そこから2年間は散発的な試合出場にどまっていましたが、昨季監督に現ブライトンのデ・ゼルビが就任したことで風向きが変わり、国内リーグに11試合、チャンピオンズリーグにも6試合出場するなど、出場機会をつかみ、リーグでは2ゴール7アシストの好成績を上げました。

そして、ついに今季、本格的なブレイクを果たします。CLのグループステージでは全試合先発出場するなど、レギュラのーの座をつかみ、リーグ戦でも9試合に出場、計15試合で8ゴール7アシストと圧巻の数字を残しています。

また、今年の6月にはウクライナA代表デビューも果たしており、デビュー以降は安定して召集され続け、ジンチェンコとともにプレーもしています。

ムドリクのプレースタイル

最近のシャフタール・ドネツクは、前線にはブラジル人アタッカーを起用することが非常に多く、その中でムドリクがポジションを掴んでいるというだけでもその能力の証明となりますが、ムドリクのプレイで特に目を引くのはスピード、その緩急のつけ方のうまさです。

これにより、相手のDFがムドリクに対応するのが非常に難しくなっており、この加速と減速のスムーズさを活かしたドリブルを得意としています。

華麗なドリブル突破を見せるスタイルからムドリクは『ウクライナのネイマール』と呼ばれることもありますが、ハイライト動画などを見る限り、そこまでトリックを多用するというよりも、ダイレクトなドリブル突破が比較的多いように見えます。

また、相手を突破するドリブルだけではなく、ムドリクは昨季90分当たりのプログレッシブキャリー数3.7を記録しており、このポジションの選手としてはかなり高い水準なので、そのドリブルでボールを前に進めることもできます。

加えて、なんといっても今季の数字からわかる通り、得点アシスト両方が出来、数字を残すことができるウイングなのは魅力的です。その点ではサカやマルティネッリと通ずるものがあり、アルテタが獲得を望む気持ちもわかります。キャリアを通して左ウイングが主戦場ですが、今のアーセナルは(スミス老の復帰を前提とすれば)どちらかといえばより層が薄いのは右であることを考えると、右サイドでの起用も検討されているのかもしれません。

また、ムドリクはそれなりに得点を挙げているものの、ボックス内に走りこむ回数やボールタッチ数、xGで見るともっと点を決められてもいいだけの数字を残しています。これを決定力に改善の余地がある、と見るか、今後次第でさらに伸びる、とポジティブにとらえるかは難しいところです。

ちょっとした懸念

紹介した通り、ムドリクが才能あふれる次世代のスター候補なのは間違いないといっていいでしょう。ただし、この冬にもしアーセナルが彼の獲得に動くのだとすると、少しばかり懸念点がないわけではありません。

まず一番心配なのは、ムドリクがまだ若く、トップレベルの実績がかなり少ないことでしょう。もちろん今のアーセナルは非常に若いチームであり、若さ自体はポジティブなものでもありますが、ウクライナでプレイしており、CLや代表での経験はあるものの、欧州5大リーグでプレイしたことがない、というのは少し心配ではあります。

将来的には素晴らしい選手となる可能性は十分に秘めているものの、今のアーセナルがリーグ戦を戦う上でより優先順位が高いのはジンチェンコやジェズス、ホワイトやラムズデールのように、すでにプレミアリーグでのプレイを経験しており、適応の心配がない選手ではないか、と感じられなくもありません。

最近の冬の獲得でいえば、ローンで獲得した際のウーデゴールはプレミアリーグでの経験こそなかったものの、母国を離れて欧州の主要リーグでの複数クラブでのプレイを経験しており、結果的に適応にほとんど時間を必要としませんでした。

加えて、これは経験の少なさとも関係していますが、シャフタールが要求しているとされる40-60m€という移籍金はそれなりに高額に感じられますし、サカとマルティネッリという絶対的な2人が在籍していることを考えると、アーセナルがウイングにどのような立ち位置の選手を迎えるべきなのは悩ましいところです。

もし今後も彼ら二人を絶対的な主軸とするのであり、かつ、今季結果を残してくれるであろう、ということを最優先に考えると、どちらかというと25-27歳くらい、プレミアリーグ経験があり30m€くらいで獲得できそう、のようなプロフィールのウイングの方が現実的に感じられなくもありません。

ただ、ムドリクが素晴らしいポテンシャルの持ち主であるのも間違いなく、サカ、マルティネッリ、スミスロウ、ムドリクという両翼の構成は非常にロマンもあります。

いずれにせよ、まだアーセナルは慎重にターゲットを吟味している段階かと思うので、冬の動きを楽しみに見守りましょう。

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Posted by gern3137